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2025.09.17
世界初のブローバ「カーブ」が、素材を一新
今度はフォージドカーボン&金箔だ!

「ブローバ〈カーブ〉150周年記念モデル」。98A328。ハイプレシジョンクォーツ。径44㎜。ケース厚10.4㎜。金箔入りフォージドカーボンケース。ラバーストラップ。3気圧防水。24万2000円。
ブローバは、1875年にジョセフ・ブローバがニューヨークで立ち上げたアメリカの時計ブランド。今年2025年は、記念すべき老舗の150周年であり、これまでの革新の歴史を象徴するようなスペシャルな新モデルが発表されている。
そのうちの一本が、ここに紹介する「カーブ」である。「カーブ」が最初に誕生したのは、2016年。その「曲がり具合」は、世界初の腕時計として時計業界に衝撃を与えた。
まずカーブしているのは、風防ガラス。このパーツをカーブさせることは、多くのブランドが実践している。続いてケース。ケースをカーブさせることで、フィット感が格段に向上するが、これも決して珍しい形状ではない。そしてダイアル。ダイアルをカーブさせると、そこにセットするインデックスや針などもカーブさせる必要があるので、難易度は一気に上がる。しかし、このカーブダイアルでも、世界初とはいえない。
では、どの「カーブ」が世界初であったのか。この時計はなんと中身のムーブメントが「カーブ」しているのである。そのムーブメントとは、ブローバ独自のハイプレシジョンクォーツ。「262kHz」という高振動(通常のクォーツは32kHz程度)と、2ステップのスイープ運針というブローバのDNAを受け継ぐムーブメントだ。
しかも、このムーブメントはクロノグラフであり、通常の3針に比べモーターの数が多い。それをカーブケースに合わせて曲げてしまおうとは、誰も思いつかいない。先に述べたが、ケースをカーブさせる目的のひとつは、手首に沿って高いフィット感を得るため。
しかし、ケースを曲げることができても、中に搭載するムーブメントはフラットであるから、仮に薄いムーブメントに仕上げたとしても、形状のズレからケースを厚くしてムーブメントを収める、もしくは大型のカーブケースに直径の小さなムーブメントを収めるしか方法はない。
ブローバの「カーブ」は、ケースとムーブメントの曲線がピッタリとマッチしており、その精密さはシースルーバックを通して確認することが可能だ。2016年の初代「カーブ」は、ケースの素材がチタン+SSだったが、150周年を祝う最新モデルでは、ケース素材がフォージドカーボンに進化している。
しかも、そのフォージドカーボンケースをよくみると、何やらゴールドのフレーク状のものが……。なんとこのフォージドカーボンケースには、金箔が混ぜ込まれているのだ! リューズやプッシュボタン、ベゼルなどのゴールド色パーツとの相性も抜群。
正面からはセミスケルトンのダイアルを通してムーブメントを、横からはフォージドカーボンの金箔を、シースルーバックからはカービングムーブメントを、といった具合に、360度どの角度から見ても、見飽きることのない時計に仕上がっている。
この150周年記念モデルの「カーブ」だが、特に限定数は設けられていないため、今後も150周年記念モデルとして継続していくと考えられる。また販売はCITIZEN FLAGSHIP STORE TOKYOとCITIZEN FLAGSHIP STORE OSAKA、そしてBULOVA 公式オンラインストアの3店舗のみ。2025年10月3日発売予定となっている。
問い合わせ/ブローバ公式サイト
文/市塚忠義