2025.10.03

パイロットウォッチの雄ロンジンから、大本命の手巻きフライバック!

同じくCOSC認定のシンプルな3針モデルも登場

左「ロンジン スピリット パイロット フライバック」。L3.721.4.53.6。手巻き。ケース径39.5㎜。SSケース&ブレスレット。10気圧防水。77万7700円。右「ロンジン スピリット パイロット」。L3.809.4.53.9。自動巻き。ケース径39㎜。SSケース。ラバーストラップ。37万1800円。

190年以上の歴史を誇るロンジンの時計といえば、陸、海、空を舞台として輝かしい実績を残してきた。特に「空=パイロットウォッチ」においては、完全にロンジンの独壇場と言っても過言ではなく、伝説のパイロットたちと数々の横断飛行を遂行。世界初のチャレンジを、正確な時刻と計測で支えてきた。

そんなロンジンのパイロットウォッチ、そしてクロノグラフのDNAを今に伝える時計として誕生したのが、2020年に誕生した「ロンジン スピリット」コレクションだ。搭載するムーブメントは全てCOSCによるクロノメーター認定。シンプルな3針モデルに加え、GMTモデル、クロノグラフがラインナップする。

そんな「ロンジン スピリット」に、大本命となりそうな2つのモデルが誕生した。1本目は手巻きのクロノグラフ「ロンジン スピリット パイロット フライバック」だ。もちろんこれまでのモデルにも、フライバック搭載機は存在する。では何が新しい点かというと、ムーブメントが自動巻きから手巻きになっていること。そしてケース径が42㎜から39.5㎜にサイズダウンしていることだ。

ブラウンレザーストラップを装着した「ロンジン スピリット パイロット フライバック」。L3.721.4.53.2。74万3600円。

わずか2.5㎜と思うかもしれない。しかし小さい腕時計で、直径が2.5㎜小さくなるとかなり印象が変わる。さらに特筆すべきは、ケース厚も大幅にスリムになったこと。42㎜モデルのケース厚が17㎜であったのに対し、39.5㎜モデルはケース厚が13.4㎜しかない。これは巻き上げローターの存在しない手巻きムーブメント最大の恩恵といえよう。

さらに細かく見ていくと、ダイアルのデザインなども変更されている。ブラックの「サンレイ」ダイアルは「マットブラック」に。2つのインダイアルも、縁リングや同心円の模様がなくなり、よりシンプルに仕上げられている。双方向回転ベゼルのセラミックインサートは、アラビア数字表記が10分刻みから15分刻みに。1分刻みのスクエアドットは5分刻みのバーインデックスに変更されている。

搭載する手巻きムーブメント「L792.4」の内容は、基本的に自動巻きの「L791」に同じ。シリコン製ヒゲゼンマイなどの部品の採用により、ISO764に準ずる耐磁性能を装備。パワーリザーブは約68時間と実用性の高いハイスペックは健在だ。伝統の青いコラムホイールも巻き上げローターがないため、より際立っている。

この新作に備わる「手巻き」、「フライバック クロノグラフ」、そして「クロノメーター認定」。ひとつひとつでカウントすれば、決して珍しい仕様ではないが、3つがセットで揃っているモデルは、極めて稀。時計ファンにとっては、いかにも購入の決定打となりそうな「3点セット」なのである。

そして3針モデルにも「ロンジン スピリット パイロット」の名で新作が登場。これまでのケース径40㎜とケース径37㎜の中間となる、39㎜モデルが誕生した。人間工学に基づき再設計された39㎜ケースは、着け心地が向上。またこれまであった「5つ星」と「日付表示」をなくし、ミニッツトラックはより明瞭化された。

SSブレスレットを装着した「ロンジン スピリット パイロット」。L3.809.4.53.6。42万2400円。

先端の赤かった秒針は、時分針やインデックスと同じゴールドカラーで統一され、スッキリすると同時に、よりヴィンテージ感を押し出した印象に。またSSブレスレットの他に、フォールディングクラスプ付きブラウンレザー、またピンバックル付きの新しいテキスタイルスタイルのグリーンラバーをラインナップし、現代の幅広いライフスタイルにも対応する。ブレスレット以外はインターチェンジャブルなので、自身で交換できる点も、嬉しい限りだ。

ブラウンレザーストラップを装着した「ロンジン スピリット パイロット」。L3.809.4.53.2。38万8300円。

なお、「ロンジン スピリット パイロット」の2つの新作は、2025年10月4日(土)に、発売を開始する。今から94年前の1931年10月4日、アメリカ人飛行士クライド・パングボーンとヒュー・ハーンドンは、ロンジンの時計と共に日本(青森県三沢市淋代海岸)から飛び立ち、そして翌日、日本から米国への世界初ノンストップ太平洋横断飛行を達成した。ロンジンはこの渾身の新作で、伝説の偉業をオマージュする。

問い合わせ/ロンジン公式サイト

文/市塚忠義