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2025.12.22
クロノスイス伝説の“針なし”レギュレーター「デジター」が、20年の時を経て復活!
アワー、ミニッツ、セコンド全てがデジタル表示

「ネオ デジター(サンド)」。手巻き。ケース縦48㎜×横30㎜。ケース厚9.7㎜。5気圧防水。SSケース。ヌバックレザーストラップ。世界限定99本。297万円。
いま、時計業界では、ジャンピングアワーが密かなブームだ。ジャンピングアワーとは、時針の代わりとなるアワーディスクで窓からデジタル表示を行う時計のこと。つまり日付表示のような感覚で「時(アワー)」を表示し、1時間に1回その数字が「ジャンピング」して回転するわけだ。
この機構自体は極めて古典的なものだが、その表示スタイルにはいくつかバリエーションが存在する。分針は通常通りセンター運針で、「時」のみジャンピングするタイプ。またはその分針がレトログラード式になっていて、ジャンプバックすると同時にアワーディスクもジャンピングするタイプ。
さらには分針が存在せず時針同様のディクス表示で分表示をデジタルで行うタイプもあり、こういったモデルは、ダイアル上にいっさいの針がなく「時」と「分」の2つの窓しかないことから「鉄仮面」などと呼ばれ、時計ファン憧れの存在になっている。

2005年に誕生した初代デジター。
しかし、クロノスイスが今から20年前の2005年に発表したジャンピングアワー「デジター」は、さらに徹底した「鉄仮面」であった。なんと秒針までがデジタル表示。つまり「時」「分」「秒」をそれぞれ独立させて表示するレギュレーターを、すべて窓表示でコンプリートしたのだ。

針を持たないクロノスイス伝説の時計「デジター」が、このたび復活する! クロノスイス創業者であるゲルト・R・ラング氏が生み出したアイコニックな時計が「ネオ・デジター」として復刻されたのだ。
初代デジターの個性的な表示機構をさらに際立たせたのが、長方形のレクキュタンギュラーケースだった。ダイアル上ではアワー、ミニッツ、セコンド表示が縦一直線でキレイにセットされ、その美しい配置は角形ケースならでは。

今回の新作では、その緩やかにカーブしたレクタンギュラーケースを、アトリエ・ルツェルンのデザインチームが完全に再構築。彫刻的でありながら丁寧な仕上げを施し、手首にフィットする形状を再現した。
ダイアルの時間表示は、上が「ジャンピングアワー」、中央が「スイープミニッツ」、下が「スイープセコンド」となっており、これは従来通り。初代から変更されている点といえば「スイープミニッツ」の窓内にあったMSA(フランス語で針のない時計)の文字が12時位置に移動し、三角のマーカーが扇窓の下側からではなく上側に取り付けられたこと。

「ネオ デジター(グラニット)」。世界限定99本。297万円。
ミニッツと&セコンドのデジタル表示が大きくなり、より時間がはっきり読み取れるようになった。また6時位置のセコンド表示の窓枠は、唇のような形状からシンプルな扇形に変更されている。
初代のリューズは平らなタイプだったが、復刻版ではクロノスイスを象徴するオニオンクラウンがバランスよく「半分」にカットされてセットされている。手巻きのムーブメントのことを考えれば、このリューズ形状の変更は、実にクレバーな選択と言えよう。

復刻版の「ネオ・デジター」が搭載するムーブメントは、ルツェルンで開発された手巻きキャリバー C.85757。その美しい姿は裏蓋のシースルーバックによって確認することができるが、このシースルーバックのトノー形状は、ラング氏がかつて好んで採用したFEF(ファブリック デボーシュ ドゥ フルリエ)のオールドキャリバーをオマージュしたものだ。

初代デジターのダイアルカラーは、ゴールドとシルバーなどがラインナップしていたが、こちらの復刻版はサンドブラスト仕上げ 4N(サンド)とガルバニックブラックサテン仕上げ(グラニット)の2種。ケースはともにステンレススティールとなり、どちらのダイアルも世界限定99本となる。
クロノスイス公式サイト
問お合わせ/栄光時計 TEL:03-3837-0783
文/市塚忠義