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2025.12.26
ランゲ1・デイマティックに初めてのハニーゴールドモデルが登場
シルバー925製ブラウンダイアルとの相性も抜群です!

「ランゲ1・デイマティック」。自動巻き。Ref. 320.050。径39.5㎜。ハニーゴールド(HONEYGOLD®)750 製ケース。アリゲーターストラップ。3気圧防水。パワーリザーブ約50時間。価格は要問い合わせ。
1845年に工房を創立したドイツ時計の名門、A.ランゲ&ゾーネ。第二次世界大戦後にいったん国有化されるも、東西ドイツ統一を機に再び復活したのが1990年。その時以来、同社のアイコンとして君臨しているロングセラーが、「ランゲ1」である。
「ランゲ1」の特徴は、その左右非対称なダイアルのデザイン。時分針、秒針、アウトサイズデイト、そしてパワーリザーブ表示を巧みにオフセットしたダイアルのレイアウトは絶妙。この時計をひと目見て、衝撃を隠せなかった時計関係者は一体どれほどいたのだろうか。筆者は紛れもなく、その一人である。
長い歴史を刻み続ける時計業界において、こうしたアシンメトリーな時計がブランドの「顔」として定着すること自体が珍しいが、何よりA.ランゲ&ゾーネが優秀だったのは、この時計のためのムーブメントを完成させたこと。当時としては、約72時間というロングパワーリザーブも実現していた。
「ランゲ1」の新たなファミリーとして「ランゲ1・デイマティック」が加わったのは、2010年。まるで「ランゲ1」を鏡に写したようなダイアルは、表示機構のポジションが見事に反転。時分表示がダイアルの右側に、スモールセコンドとアウトサイズデイトは左側に配置されている。
また右側にあったパワーリザーブ表示は、左側でレトログラード式の曜日表示に。扇形に反復運動する針の動きを継承しながら、全く別の機能に置き換えた手腕は、見事というしかないだろう。「ランゲ1」コレクションが多くの人を魅了するのは、実用性の高さに加えて、その機能を美しく見せる努力を惜しまないからだ。

そんな「ランゲ1・デイマティック」に、また一つ特別なモデルが誕生する。このモデルに初めてとなるハニーゴールド(HONEYGOLD®)750 製ケースの新作が加わった。ちなみにこの新作が発表されたのは2025年の12月7日。
12月7日は、同ブランドにとってはともて特別な日。生みの親であるフェルディナント・ア ドルフ・ランゲがグラスヒュッテの地にドイツ精密時計製造の礎を築いたまさにその日であり、彼の曾孫にあたるウォルター・ランゲが再びブランドを再築したのも1990年の12月7日であった。

それだけでも、この新たに誕生した「ランゲ1・デイマティック」の重要性がわかっていただけるだろう。ちなみにケースに採用されているハニーゴールド(HONEYGOLD®)とは、同社が専用使用権を有する素材で、独自の合金の配合と熱処理によって通常の18K合金よりも硬く傷つきにくく、ピンクゴールドよりも淡い色味が特徴。
このハニーゴールドケースの温かな光沢感をさらに引き立てているのが、シルバー925製のマットな質感のブラウンダイアル。インデックスやアウトサイズデイトのホワイト数字とも美しく調和しており、インダイアルをわずかにくぼませることで、表情豊かな立体感も手に入れている。

新作「ランゲ1・デイマティック」は、ケース径39.5㎜、ケース厚10㎜。シャツの下にスッキリとおさまるサイズ感は従来通りだが、実はラグとベゼルのデザインが微妙にリニューアルされており、より高いフィット感が期待される。
「ランゲ1」と「ランゲ1・デイマティック」の違いについては先述した通りだが、ダイアルのデザインのほかに決定的に違うのが搭載するムーブメント。「ランゲ1」が手巻きムーブメントであるのに対し、「ランゲ1・デイマティック」は自動巻きムーブメント、キャリバーL021.1を搭載している。

426個のパーツで構成されるキャリバーL021.1は、4枚のプレートで別々にビス止めされているが、いっけんするとその姿は「ランゲ1」の手巻きムーブメントに代表される“4分の3プレート”のようにも見えるのも面白い。
その上で存在感を放っているのが、ゴージャスな大型のセンターローター。外側の分銅はプラチナ950製、内側は21Kゴールド製とすることで回転効率に優れ、そこには「A. Lange & Söhne」のロゴがエンボス加工で誇らしげに入っている。
表のダイアルにも裏のムーブメントにも、A.ランゲ&ゾーネの時計哲学がふんだんに盛り込まれた2025年最後の新作は、世界限定250本のみで販売される。
問い合わせ/A.ランゲ&ゾーネ公式サイト
文/市塚忠義