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2026.04.08
レイモンド ウェイル創業年と同じ1976年製のバルジュー搭載機が限定で登場
え、まだ買えるの!? 希少な手巻きクロノムーブメント

「ミレジム ザ フィフティ」。1976-STC-65001。手巻き。径37㎜。SSケース(ベゼルは18Kホワイトゴールド)。カーフレザーストラップ。5気圧防水。世界限定50本。209万円。
GPHGのチャレンジ賞を勝ち取った「ミレジム」で、いま注目を集めるレイモンド ウェイル。そのスイスの実力派からメゾンの創業年である1976年に製造されたバルジュー製ムーブメントを搭載したクロノグラフが限定50本で発売された。
バルジュー(Valjoux)とは、時計ファンの間では伝説となっているクロノグラフに特化したエボーシュ専用メーカー。かつてヴィーナス(Venus)社を吸収合併し、現在はETA社に統合された伝説のムーブメントメーカーである。
特にバルジュー7750(ETA7750)は、自動巻きクロノグラフという分野で金字塔を打ち立てた傑作。このキャリバーを搭載したクロノグラフを愛用している人は、世界中にどれだけいるのだろうか。価格、精度、耐久性と、どれをとっても非常に完成度の高いクロノグラフ・キャリバーであることは、間違いない。
そんな自動巻きキャリバーが人気を集める一方で、同社の「手巻き」のクロノグラフ・、ムーブメントは、よりコアな時計ファンによって支持されている。例えば1932年から製造が始まったバルジュー72は、かつてロレックスのデイトナなどに搭載されていたことは有名な話。
そのバルジュー72と並んで評価される傑作キャリバーが、バルジュー22だ。1914年にリリースされると、後に直径を縮小してバルジュー23へと進化。その基本設計は極めて優秀で、1974年まで生産を続けるロングセラーになる。
バルジュー23はその後、毎時1万8000振動を毎時2万1600振動にアップさせたバルジュー236に進化。自動巻きのバルジュー7750(ETA7750)は1980年代に生産が再開したが、手巻きの23系は、このバルジュー236を最後に市場から姿を消すことになる。手巻きバルジューがビンテージ好きの間で伝説となっている、それが理由だ。

そんな手巻きバルジュー好きにはたまらないニュースが舞い込んできた。1976年に創業して今年2026年に創業50周年を迎えるレイモンド ウェイルが、その記念すべき節目を祝うタイムピースとして、同じ1976年製のバルジュー236を搭載した手巻きクロノグラフを発表。周年に合わせ、その数は限定50本という希少なクロノグラフだ。

もちろん、そのオールドムーブメントは、昔の「まんま状態」で搭載されるわけではない。現代の技術と職人の手作業によって、コート・ド・ジュネーブやブラックルテニウム処理、面取り、ネジ周囲の仕上げに至るまで丁寧に装飾が施されている。
さらに、クロノグラフのプッシュ操作の要であるコラムホイールとネジの双方に青焼き処理を施しており、立体感とコントラストを同時に強調。クラシカルな構造美と現代的な仕上げがハイレベルに融合している。
この手巻きムーブメントばかりに注目が集まりそうだが、ダイアル側の仕上げも極めて優秀。傑作ミレジムらしい無駄のないダイアルは、中央部、アワートラック、ミニッツトラック、インダイアルの 4 つのパーツで構成。各要素を独立して設計することで、視認性と装飾性を両立することに成功している。

ダイアル中央部は、縦横の筋目をエリアごとに切り替えた「タペストリー」モチーフ。ブランドロゴと「EST. 1976」をわずかに隆起させることで、さりげなくその特別感を演出。さらにグレイン仕上げのアワートラックやスネイル仕上げのミニッツトラック、個別に仕上げられたインダイアルがコントラストを際立たせ、豊かな表情と高い視認性を実現している。
ケースの直径は、37㎜と小ぶり。完全にビンテージ・クロノグラフのサイズ感である。ケース厚も10.75㎜と手巻きならではの薄さを実現しており、フィット感の高さは申し分のない仕上がりだ。
時計のケースバックには、限定50本を示すシリアルナンバーを刻印。さらに「1976」と「2026」の記念すべき年号も刻まれており、その希少性の高さを感じられる内容になっている。
問い合わせ/レイモンド ウェイル公式サイト
文/市塚忠義