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2017.12.15
なぜ、ハミルトン初の旗艦店を東京・原宿に作ったんですか?
ハミルトンCEO、シルバン・ドラ氏インタビュー
2017年11月、東京・原宿に「ハミルトンブティック 東京キャットストリート」がオープンした。意外に感じるかもしれないが、じつは名門ハミルトンが直営路面店を作るのは、長い歴史を振り返っても今回が初。生まれ故郷のアメリカでも、現在本拠を置くスイスでもなく、なぜ東京にフラッグシップショップを開いたのか? 理由を先ごろ来日したCEOシルバン・ドラ氏に聞いた。
キャットストリートの空気感がブランドイメージと響き合った
「日本がハミルトンにとって最も重要なマーケットの1つだからです」。ハミルトンの歴史を振り返っても初となる旗艦店を東京・原宿にオープンした理由について、シルバン・ドラCEOはそう語り始めた。
ちなみに日本は、最近のハミルトンの各国別売り上げの中で常にトップクラス。だがシルバン・ドラ氏が重要と語るのは、そうした売り上げ面だけの話ではないようだ。
「日本は、世界のファッショントレンドをリードする国であり、とくに東京は感度の高い方たちがどこよりも多く集まる都市だと認識しています。そしてそんな方々は時計についても鋭い審美眼も備えている。つまりこの地で評判のいいモデルは、世界のどの国に対しても自信を持っておすすめできるわけです。今はインターネットやソーシャルメディアもありますが、我々はそんな東京の目の肥えたユーザーの皆様と直に繋がりたいと考えて、今回旗艦店をオープンさせたのです」。
でもなぜ原宿のキャットストリートだったのだろう。海外有名メゾンのブティックが軒を連ねる銀座や青山界隈でも良かったのではないだろうか。
「入り口に手袋をしたドアマンが立っているようなお店は、ハミルトンのイメージではありません。お客様が敷居の高さを感じず、ふらりと気軽に立ち寄っていただけるようなショップを作りたかったのです。じつをいうと東京では他の場所も候補に挙がりましたが、原宿のキャットストリートの雰囲気が一番良かった。今世界中のファッションストリートはどんどん雰囲気が画一化されていますが、ここには世界中のどこにもない独特の雰囲気があります。この街を訪れる人たちにハミルトンの世界観を伝え、そして我々としても大いに刺激を受けたいと考えたのです」。
テーマに合わせて貴重なアーカイブを展示
シルバン氏がハミルトンの世界観を伝えたいと語るショップでは、ブランドの「H」をイメージしたファサードを抜けると、吹き抜けの開放的なエントランスが広がる。ヴィンテージウッドがふんだんに使われていることもあり、とても居心地のよい空間だ。聞けばニョーヨークのクリエイターたちがアトリエにするようなロフトスタイルを目指したとのことで、高級ブランドのブティックにありがちな冷たい雰囲気はない。
「1階では常時ハミルトンのメンズとレディスのフルコレクションから全300型以上ラインナップし、2017年末まではブランドの貴重なアーカイブも展示します。当ブランドには豊かな歴史があり、テーマの設定には困ることはありません」。
ちなみに取材時には、あのエルヴィス・プレスリーが着用したベンチュラのほか、映画『インターステラー』や『2001年宇宙の旅』で使われたスペシャルモデルも展示されていた。
「つまりここは、ハミルトンの今と昔を体感できる場所。ここを訪れた感度の高いお客様たちがどのように反応をなさるのか、今から我々もとても楽しみです。2階スペースは将来的にプレスルームとしても活用する予定ですが、当ブランドのデザイナーがここに短期滞在し、新作の時計デザインをしてもいいかもしれない。とてもいいインスピレーションを得られそうな気がしています」。
写真/谷口岳史 文/吉田 巌
こんなお宝に出会える!(2017年末までの期間限定展示)
ハミルトンブティック 東京キャットストリート
住所:東京都渋谷区神宮前6-14-5
Tel.︎03-3400-1181
営業時間:11:00〜20:00 不定休