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2018.01.09
CEOに訊く:新生アノーニモになって、どこが変わったのですか?
2017年末、アノーニモのCEOジュリアン・ヘニー氏が来日した。2017年のバーゼルワールドより本格的に陣頭指揮をとるこの新CEOに、アノーニモの歴史、ブランドの現況、そして今後目指すものについて直撃インタビューした。
アノーニモってどんなブランドですか?
時計Begin(以下TB) まずはアノーニモというブランドについて教えてください。
ジュリアン・ヘニー氏(以下へニー氏) アノーニモは1997年、イタリアのフィレンツェで創業しました。同じイタリアンブランドのパネライとは関係が深く、1972年にジュゼッペ・パネライ氏が亡くなった際、ビジネスの管理をイタリア海軍幹部だったディノ・ゼイ氏が譲り受けます。企業自体は25年後にリシュモングループによって買収されるのですが、時計に愛着をもっていたディノ・ゼイ氏と数名の時計師、デザイナーらが新たなブランドを立ち上げ、イタリア語で“無名”を意味するアノーニモが誕生したのです。
TB アノーニモの時計の特徴は何ですか。
ヘニー氏 デザインは20世紀前半、イタリア海軍の潜水艦乗組員のために製作されたミリタリー時計に範をとっています。それをベースとし、6時位置または12時位置に設置されたクラウンガード、マリーンブロンズ素材のケースといった個性を加えて、2001年にファーストコレクションの「ミリターレ」を発表しました。近年は「ミリターレ」と「ナウティーロ」を2本柱に展開しています。
TB 現在はどのような体制で、ブランドの経営が行われているのですか。
ヘニー氏 2013年にアノーニモは、熱烈な時計マニアである個人投資家に買収され、本社をスイスのジュネーブに移しました。時計の組み立てはラ・ショー・ド・フォン近くのブレネという町の工場で行っています。現在、経営チームは私を含め8名。全員がジャガー・ルクルト、レイモンド・ウェイルなど、名だたるブランドでプロダクトマネージャーやPRを務めたものばかりです。
新CEOになってアノーニモはどう進化したのでしょうか?
TB あなたがCEOに就任して、ブランドは変わりましたか。
ヘニー氏 伝統的なイタリアンデザインとスイス時計製造技術の融合という基本路線に変化はありませんが、製品の随所でクオリティアップしていることは間違いありません。たとえば今年発表した新型の「ミリターレ ヴィンテージ」は、以前6時位置だったリューズを12時位置に移動して、新たに特許取得のロックシステムを追加したほか、ケース裏はシースルーバックにしました。また「ミリターレ ヴィンテージ クロノ」では、クリーム文字盤にブラックの2カウンターを擁した“パンダ”、反転カラーの“ニューマン”の2タイプを用意し、それぞれ色彩の異なるエイジング仕様のヌバックストラップを合わせるなど、ディテールや仕上げにも徹底的にこだわっています。
TB 今後の抱負についてもお聞かせくださいますか?
ヘニー氏 今後、正式発表となりますが、アノーニモは2018年、国際的なレーシング大会の公式タイムキーパーに就任します。さらにバーゼルワールドでは、文字盤のカラーリングにこだわった意欲的な新コレクションを発表する予定です。これからも日本の皆様に愛される製品作りを目指していきますので、どうぞご期待ください。
写真/谷口岳史 文/岡崎隆奈
CEOに伺いました!コチラがオススメ最新モデル
ブランドのファーストモデルである「ミリターレ ヴィンテージ」。04、08、12のトライアングルがアノーニモの“A”をかたどる。
ミリターレ ヴィンテージ クロノ“ニューマン”。自動巻き。径43.4mm。SSケース。カーフストラップ。12気圧防水。47万円。
ミリターレ ヴィンテージ クロノ“パンダ”。自動巻き。径43.4mm。SSケース。カーフストラップ。12気圧防水。47万円。
ミリターレ ヴィンテージ。自動巻き。径43.4mm。SSケース。カーフストラップ。12気圧防水。32万円。
ナウティーロ。自動巻き。径44.4mm。SSケース。カーフストラップ。20気圧防水。26万円。