2018.05.07

【タグ・ホイヤーの工房へ行ってきた #番外編】時代を動かした傑作が ミュージアムに集結!

スティーブ・マックイーンのあのモデルも展示

オウタヴィアをはじめタグ・ホイヤーは復刻モデルにも注力する。
本社に併設するミュージアムの存在が、忠実な再現を可能とする。

『栄光のル・マン』の名脇役を展示
オークションに出品されたスティーブ・マックイーン着用のモナコを、メゾンの威信にかけて落札。後ろにあるのが証明書で、鑑定人は『栄光のル・マン』の小道具係。

メゾンの歴史を俯瞰できる希少な時計と資料を展示

150年を超えるタグ・ホイヤーの歴史を辿る希少なヒストリカルピースを収蔵する「タグ・ホイヤー 360ミュージアム」は、2008年1月30日にオープンした。アヴァンギャルドを標榜するメゾンらしく、そのインテリアはかなり斬新だ。天井には円形のスクリーンが設置され、AVを駆使してメゾンの歴史を伝えるなど仕掛けにも凝っている。壁に埋め込まれたショーケースに加え、円形の展示ケースが点在。全体を9つのステージに分け、それぞれ「イノベーション」や「アヴィエーション」「レーシング」といったタグ・ホイヤーを語る上で欠かせぬキーワードをテーマに、それぞれにまつわるモデルや資料とで構成されている。
 展示品は、興味深いものが数多い。「イノベーション」のエリアでは、1887年の偉大なる発明品「振動ピニオン」や1911年に特許を取得したダッシュボードクロック「タイム・オブ・トリップ」、そして1916年誕生の100分の1秒ストップウォッチ「マイクログラフ」の実機が目のあたりにできる。また右ページで紹介した左リューズのモナコのオリジナルの展示品は、このモデルを一躍有名にした映画『栄光のル・マン』でスティーブ・マックイーンが着用したものだ。
 ビバー氏は「メゾンの歴史を再評価し、20年後のマスターピースになることを意識した製品開発を行う」と語った。今ある現行モデルが数十年後、ミュージアムに展示される日が訪れる。

インテリアや仕掛けに凝るアヴァンギャルドなミュージアム
暗い室内にショーケースの明かりが浮かび上がる斬新なインテリア。天井のスクリーンには、歴史にまつわる様々な映像が映し出される。F1のレーシングスーツも興味深い展示品の1つ。

1カウンターの希少なカレラ
3時位置に45分積算計を置く1965年製のカレラ。スモールセコンドを持たない1カウンターが、実に珍しい。9時位置には、このモデルでメゾンが初めて採用した窓表示のデイトが備わる。

オウタヴィアのオリジナル
復刻されたオウタヴィアは1966年製が規範だが、これはそれより古い1964年製モデル。復刻された現行オウタヴィアの回転ベゼルが時目盛りであるのに対し、こちらは分・秒目盛りを刻む。

ホイヤー家3代目の愛用品
元祖自動巻きクロノ「クロノマティック」を搭載する1970年製のゴールドのカレラ。その所有者は、メゾンの生き証人ジャック・ホイヤー氏の父シャルル・エドワード・ホイヤー氏。

メゾンの偉大なる発明品
メゾンを代表する3つの発明品。右上がダッシュボードクロック「タイム・オブ・トリップ」、中央が「マイクログラフ」、左下が「振動ピニオン」を採用したクロノグラフ・ムーブメント。

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