2018.08.29

【角型時計って実は…世界初が多い】世界初!の角型防水時計& 自動巻きのクロノグラフ「タグ・ホイヤー モナコ」

1969年にモーターレースシーンから生まれた「モナコ」。 スティーブ・マックイーンが映画で着用したことでも有名なこのモデルは、当時としては画期的な高防水仕様の角型ウォッチであったとともに、同年に開発された世界初の自動巻きクロノキャリバーを搭載していた。

TAG HEUER(タグ・ホイヤー)
ホイヤー モナコ
キャリバー11 クロノグラフ

マックイーン仕様に準じたレトロな左リューズモデル
映画『栄光のル・マン』でスティーブ・マックイーンが着用したモデルを再現。オリジナルと同じマットブルーの文字盤に、角型のインダイヤルを装備し、赤の差し色をアクセントとしてきかせた。内部には初代クロノマティックの開発にも携わったデュボア・デプラ社との共同開発によるキャリバー11を搭載。したがって初代同様、プッシュボタンは右サイド、リューズは左サイドのスタイルとなる。自動巻き。径39㎜。SSケース。カーフストラップ。100m防水。63万円。
お問い合わせ先:LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン タグ・ホイヤーTel.03-5635-7054

角型時計って実は…世界初が多い

ラウンド型より数が少ないぶん、各々に強いこだわりが宿る角型時計。 その証拠のひとつが“世界初”を冠すモデルが意外に多いということ。 そうした初モノの機構・装備・仕様をここに厳選してみた。

史上初の自動巻きクロノムーブ
初代モナコが採用したのは、世界初の自動巻きクロノグラフムーブメント「クロノマティック キャリバー11」。当時のホイヤー=レオニダスが、ブライトリング、ハミルトン=ビューレン、デュボア・デプラとの4社共同で開発し、1969年3月に発表を行った。特徴は時間表示用の秒針がなく、またクロノのプッシュボタンは右側のままであるのに対し、リューズが左側に設置されていること。直径31㎜、厚さ7.7㎜の大型ムーブであった。

斬新な自動巻き+クロノのモジュール設計
初代キャリバー11のもうひとつの特徴が、初のモジュール式クロノグラフムーブメントであったこと。自動巻きの薄型2針用キャリバーに、デュボア・デプラ製のクロノグラフモジュールを組み込んだ2層構造となっていた。この構造により、特殊な左リューズ仕様となった。

世界初の角型防水クロノグラフ
写真は1969年発表の「モナコ」。角型のケースで30m防水を実現した世界初のクロノグラフである。当時、丸型ケースに比べ、気密性を確保するのが難しいとされてきた角型ケースでこれを可能としたのは、タグ・ホイヤーの時代を制する技術であった。視認性にこだわり、クロノグラフの秒スケールは円形を採用。機能性とスタイルが融合した、まさに時計史に残る名作時計である。

【オリジナル 1969年製】カラーダイヤル時代を先取りした文字盤
オリジナルモデルの文字盤は、ネーミングの由来であるモナコの海のブルーに。やがて到来するカラーダイヤルの流行を先取りしたデザインであった。

 

 

[時計Begin 2018 SUMMERの記事を再構成]
文/岡崎隆奈