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2019.05.31
編集部員の「欲しい!」時計インプレッション(セイコー プロスペックス SBDX023)第2回「海外勢に人気の謎」の巻
リポーター : 『時計Begin』編集スタッフ・市塚忠義
第2回「海外勢に人気の謎」の巻
第二回のレポを始める前に、前回レポの訂正をさせてください。ベゼルの歯(溝)の数は「120」と書きましたが、それは誤り。正しくは、溝の数は「60」。板バネを半溝ズラしてセットすることで「120クリック」を実現しているとのこと。知ったかぶりしてしまいました~スイマセン。(記事は訂正済みです。)
で、しつこいですが、回転ベゼルの話をもう一つ。去る3月のバーゼルワールドで何百本という新作時計に触れる機会があったのですが、ここでもダイバーズを見つけたら必ず「カチカチ」と回してみたところ、セイコーダイバーズのベゼルに一番感触が近かった「カチカチ」は、ロレックスのシードゥエラーを筆頭とするプロフェッショナル系のスポーツモデルでした。ダイバーズウォッチは数あれど、ベゼルの回した感触はどれも違うから、「カチカチ」はやめられません!
さて、ここからが第2回の本題、スイス、バーゼルワールドでの体験談です。
バーゼルワールドの取材では、時計関係者、特に時計開発者に合って話を聞くことが多いのですが、彼らは会うなり、私が腕につけているセイコーダイバーズに気がつき「その時計見せて」と……。
それが一人や二人ではないんです。某ラグジュアリーブランドのイタリア人デザイナーから、ドイツ系ブランドの設計者、果てはホテルのエレベーターで出くわした見知らぬ外国人まで。最後の人は別として、誰もが「このディテールを実現するのに、いくらかかる」を知っているプロばかり。そんな彼らが、時計をなめまわすように見てから「グレイト!」と言うわけです。
それにしても何故、海外勢からこんなに注目を集めるのだろう……。そんな謎が、あるとき偶然にも解けました。
取材で訪れたバーゼルワールドのセイコーブース。何故かそこに、海外メディアに囲まれるケンオクヤマ氏の姿が。
ちょっとだけ話せる時間があったので、なぜここにいるのか聞いてみると「いまセイコーの”裏プロデューサー”として仕事をしているんです」とのこと。「ではプロスペックスも、オクヤマさんが?」と思わず聞くと「そうですよ(笑)」と教えてくれた。
もちろん彼は、“裏”ではなく正式にセイコープロダクトに参加しており、特に今年の新作であるセイコースポーツの頂点「LX(ルクス)ライン」をはじめとするプレミアム領域では、重要な役割を担っている。
あらゆるプロダクトにおいて、海外事情を知り尽くしているケンオクヤマ氏。プロスペックスが、海外で人気なのは、なるほど、そういうことだったのね。最後にオクヤマ氏は「何年経っても変わらない価値ある時計、そんな”ブレない”時計作りを目指しています」と力説した。
「欲しい!」時計 :SEIKO PROSPEX(セイコー プロスペックス)「SBDX023」
(つづく)