2019.09.25

【ヴァシュロン・コンスタンタンの工房へ行ってきた!!】19世紀のギョーシェマシンが現役で稼働中!?

パーツ装飾を自在に操れる年代物マシンを大量キープ!

ヴァシュロン・コンスタンタンの美観をかなえるのは、デコレーション専用のアトリエ。伝統的な手仕上げを継承するため、19世紀のギョーシェマシンが現役で稼働する。

 

デコレーションにはとことんコダワル!

大切に修理をしマシンを受け継ぐ
19世紀のギョーシェマシンを、修理しながら今も使用する。一部電動化するなど改良が施されているが、実際に金属プレートに刃を押し当て、彫り進めるのは、昔と変わらぬ手作業だ。

仕様が違う機械で多彩な模様を実現
アトリエには、計10台のギョーシェマシンが並んでいる。滑車の位置など、仕様が異なるマシンを使い分けることで、様々なギョーシェ模様が受け継がれる。技術者も、自社で養成。

プレートに浮き立つギョーシェ模様
クル・ド・パリ、バーリーコーン、ソレイユなどなどヴァシュロン・コンスタンタンのギョーシェ・ダイヤルは、実に多彩だ。伝統的な手彫りだからラインのエッジが立ち、模様が鮮明になる。

見えない部分まで全面ペルラージュ
自動化やパーツに隠れる部分が簡略化されることも多いペルラージュ仕上げも、手作業で全面に施している。地板とメインブリッジはもちろん、手前にあるような小さなウケにも抜かりはない。

 

伝統的手仕上げを継承し未来へとつなげる

工作機械の進化で面取りはダイヤモンドカッターで、ペルラージュやジュネーブ・シールなどの装飾もCNCマシンで出来るようになった。しかしジュネーブ・シール事務局は伝統的な手仕上げを義務付ける。ヴァシュロン・コンスタンタンでは、ほとんどのムーブメントでこれを遵守。デコレーションのアトリエでは、微細なリューズ機構のブリッジに手作業でペルラージュ仕上げが行われていた。

また基準にはないダイヤルやローターへのギョーシェ仕上げも、19世紀の手彫りマシンを受け継いで、当時と同じ技法で施している。どの時代のモデルであっても修復できることを当然とし、手仕上げの技術を持ち続けることを自ら義務付けているのだ。老舗メゾンは、美をかなえる伝統技法の継承の責をも負う。

海を越える旅の名パートナー
オーヴァーシーズ・デュアルタイム

リューズで時針を現地時間に合わせられ、赤い指標の針がホームタイムを示す。9時位置にその昼夜表示も装備。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレスレット(ラバーとアリゲーターのストラップ付属)。256万円。

オーヴァーシーズ・デュアルタイムのムーブメント。

カジュアルにもスーツにも似合う
オーヴァーシーズ・オートマティック
黒一色のダイヤルは、外周をグレイン仕上げとし、ニュアンス豊かに。工具なしでストラップに付け替えできる。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレスレット(ラバーとアリゲーターのストラップ付属)。212万円。

<b>海を越える旅の名パートナー<br>オーヴァーシーズ・デュアルタイム</b><br>リューズで時針を現地時間に合わせられ、赤い指標の針がホームタイムを示す。9時位置にその昼夜表示も装備。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレスレット(ラバーとアリゲーターのストラップ付属)。256万円。
オーヴァーシーズ・デュアルタイムのムーブメント。
<b>カジュアルにもスーツにも似合う<br>オーヴァーシーズ・オートマティック<br></b>黒一色のダイヤルは、外周をグレイン仕上げとし、ニュアンス豊かに。工具なしでストラップに付け替えできる。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレスレット(ラバーとアリゲーターのストラップ付属)。212万円。

 

[時計Begin 2019 SUMMERの記事を再構成]
文/高木教雄 写真/岸田克法 構成/市塚忠義