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2023.07.20
ワールドワイドな時計用語解説事典:自動巻きムーブメントの外装用語(英語/フランス語)
昨今、機械式腕時計と言えばその多くが自動巻き方式を採用しており、腕時計ファンであるならその基本構造は理解しておきたいもの。今回は傑作ムーブメントであるグランドセイコーのcal.9SA5を分解。一体どのようにして回転錘が香箱のぜんまいを巻き上げ、その動力を各パーツにどのように伝え、針を動かしていくのか? 要所に絞ってパーツの役割を解説。まぁ、海外でもなかなか使うことのない専門用語だらけですが(笑)
自動巻き
[英]Automatic(オートマティック)
[仏]Automatique(オートマティック)
手首や腕の振りにて錘を回転させ、巻き上げ機構を通して主ゼンマイを巻く方式。錘の回転運動を一方向整流する方式にも各種ある。
回転錘
[英]Rotor(ローター)
[仏]Rotor(ロトール)
自動巻きの錘には、回転しやすいように、金やタングステンなど比重の大きい素材が用いられる。
テンプ
[英]Balance(バランス)
[仏]Balancier(バランスィエ)
主ゼンマイの解放動力を受け往復運動するパーツ。その速度を調整することで精度をもたらす。
二番車
[英]Center wheel & pinion(センターウィールアンドピニオン)
[仏]Mobile de centre(モビル ドゥ サントル)
香箱の動力を受けて回転する歯車。通常は1時間に1回転し、その軸には分針が付く。
三番車
[英]Third wheel & pinion(サードウィールアンドピニオン)
[仏]Mobile moyenne(モビル モワイェンヌ)
二番車の動力を受け、ギア比により速度を速めつつ四番車に動力を渡す歯車。
アンクル
[英]Lever(レバー)
[仏]Ancre(アンクル)
歯車の回転運動を往復運動に変えるパーツ。往復振動の維持と輪列速度を一定に保つ役目を担う。
四番車
[英]Forth wheel & pinion(フォースウィールアンドピニオン)
[仏]Mobile de seconde(モビル ドゥ スコンド)
香箱(一番車)から数えて4番目の歯車。60秒に一回転するよう設計されており、秒針が付くことも。
香箱
[英]Barrel(バレル)
[仏]Barillet(バリイェ)
主ゼンマイを収納するケースで、同時に時計動力の発生源となる一番車の役目を兼ねている。
ゼンマイ
[英]Mainspring(スプリング)
[仏]Ressort moteur(ルソール モトゥール)
機械式の動力源となる、渦巻き状に巻かれた細帯型のシートメタル。香箱内に収められる。
地板
[英]Plate/Main plate(プレート/メインプレート)
[仏]Platine(プラティーヌ)
時計機構のすべてを保持する基盤。主な素材として真鍮が挙げられる。香箱から各種歯車や脱進パーツの形状に沿って肉抜きされている。受け板を被せてムーブメントとなる。
グランドセイコー エボリューション9 コレクション SLGH005
美麗文字盤を載せた超実用ハイビート時計
「最高峰の実用時計」を目指し展開するグランドセイコー。その工房が存在する、岩手県雫石近くの白樺林をイメージした文字盤が特徴の本作。デュアルインパルス脱進機を擁した10振動のハイビート機でありながら、上図のようなツインバレル搭載のcal.9SA5は、最大80時間もの駆動力を誇る自動巻きムーブメントだ。独自の水平輪列構造を採用することにより、ムーブメントの薄型化に成功。SSケース。104万5000円。
お問い合わせ:セイコーウオッチ公式サイト
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[時計Begin 2023 Winter & Springの記事を再構成]