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2024.02.28
LVMH WATCH WEEK 2024 新作特集 タグ・ホイヤー
2024年のLVMH WATCH WEEKは、1月末にアメリカのマイアミで開催。W&W 2024を間近にしながらも、数多くの新作が発表された。やはりLVMHグループの勢い、そして開発する力は、もの凄い。時計ファンなら誰もが気になる3ブランドの新作を順次紹介する。
一歩先を行くアクアレーサーの振り切ったサイズ感
カレラと並ぶタグ・ホイヤーの人気コレクション、アクアレーサー。言わずと知れたタグ・ホイヤーの「海」の時計は、1978年に誕生した同社初のダイバーズウォッチ(後の1000シリーズ)がルーツだ。スイス時計産業にとって厳しい時代であったにもかかわらず1000シリーズが成功を収めると、1982年には2000シリーズへと進化。この2000シリーズが第四世代に突入した際に「アクアレーサー」とう名称が与えられた。
タグ・ホイヤーというとモータースポーツとの関わりを、真っ先に語ることが多い。カレラ、モナコ、オータヴィアなど、往年のカーレースとともに時代に刻まれてきたクロノグラフは、1960年代に誕生。しかし「ずっと製造が続いている」という点で見れば、1970年代に誕生したアクアレーサーの、40年以上続く歴史も負けてはいない。

「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ」。WBP1311.BA0005。クォーツ。径34㎜。SSケース&ブレスレット。200m防水。26万9500円。
タグ・ホイヤーに宿るアヴァンギャルドの精神は、アクアレーサーの進化によって形成されてきたと言っても過言ではない。2022年に開発されたブランド初のソーラーダイアル「ソーラーグラフ」のテクノロジーは、アクアグラフに搭載して発表された。今回紹介するアクアレーサーは、その「ソーラーグラフ」の最新版。新たに3種類のダイアルが与えられた。
ブランドを象徴するディープブルーダイアル(写真上)、爽やかなポーラーブルーダイアル、そしてMOP(マザー・オブ・パール)ダイアルである。注目は、ソーラーグラフシリーズでは初めての試みとなるMOPダイアルだ。太陽光をエネルギーとして利用するには、ダイアルが光を透過させなくてはならず、加工の難しいMOPダイアルを使うことは難易度が高い。また透過させるためにダイアルを薄くしすぎると、ホワイト系のダイアルはその下のソーラーメカニズムも透けて見えてしまうため、美観の問題をクリアできずに、敬遠するブランドが多いのだ。

「タグ・ホイヤー アクアレーサー プロフェッショナル200 ソーラーグラフ」。WBP1312.BA0005。クォーツ。径34㎜。SSケース&ブレスレット。200m防水。29万7000円。
新作アクアレーサーの見どころは、ダイアルだけではない。ケースサイズが、また斬新なのだ。ケースの直径は34㎜。スポーティな本格ダイバーズウォッチとしては、思い切ったサイズ感であり、腕に乗せてみた時の感覚は、これまでのダイバーズにはないものだった。レディス、メンズという条件もなく、新しい時代の風を感じる。

「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」。CBS2211.FC6545。自動巻き。径39㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。100m防水。81万9500円。
2本目に紹介するのは、カレラのクロノグラフとして評判の「グラスボックス」から。ぷっくりと風防がカーブする「グラスボックス」は、1960年代のプラスチック風防をイメージして、ダイアル、そしてフランジまでがカーブするカレラ独自の一体化スタイル。センスの良いレトロ感は、時計オタクにはたまらないフォルムだが、新作にはメタリックなグリーンダイアルが組み合わされ、より個性的なクロノグラフに仕上がっている。
個性的なのは、ダイアルカラーだけではない。ダイアルの中にあるのは、30分のカウンターが1つだけ。一見、クロノグラフに見えない点もユニークであり、デイト表示が9時位置にあるもの大変珍しい。実はこのモデル、ルーツになっているオリジナルが存在する。それが1968年のカレラ「DATO45」である。当時のモデルのカウンターは45分の積算計だったが、それが30分カウンターに変更され、鮮やかなグリーンカラーが与えられた。すでにクロノグラフを何本か所有している人であっても「別腹」で欲しくなる要素が満載だ。

「TAG Heuer Connected Calibre E4」。SBR8A14.BT6317。クォーツ。径45㎜。SSケース。ラバーストラップ。50m防水。22万円。
新作アクアレーサーに新作カレラ クロノグラフ……、どっちも欲しくて選べないという人には、こちらのモデルをおすすめしたい。それがコネクテッドウォッチの新作「TAG Heuer Connected Calibre E4」である。この時計は、アクアレーサーやカレラ クロノグラフはもちろん、トゥールビヨン搭載のクロノグラフにまで変身することができるカメレオンウォッチだ。時計のフェイスには、その日の気分で、自分の好きなタグ・ホイヤーのモデルを映し出して、時を刻める。
これまでのブラックとブルーのセラミックベゼルに加わった新色は、深みのあるグリーンのセラミックベゼル。ストラップにも同色のグリーンストラップがセットされ、より特別感のあるモデルが誕生した。パフォーマンスはこれまでのモデルと同様。TAG Heuer Wellnessアプリを使って自身の健康状態などをリアルタイムで把握できるほか、ランニング、サイクリング、スイミング、そしてゴルフまで、アクティブなスポーツシーンのパートナーとして時計オーナーをサポートしてくれる。
お問い合わせ:タグ・ホイヤー公式サイト
文・構成/市塚忠義