2019.12.16

アンダー50万円の複雑時計は、欲張りさんも嬉しい老舗ブランドの全部入り!

複雑時計は高価──そんな常識をボーム&メルシエは覆す。クロノグラフ+コンプリートカレンダーでも、50万円を切ってみせた。

 

アリゲーターストラップ仕様も選べる。斑は四角に整い、かつ大きく極めて上質な革であることがわかる。スペックは下と同じ。48万円。

 

多機能をエレガントに見せる老舗のクリエーション

昨年から引き続き、自社製ムーメントのボーマティックが話題のボーム&メルシエは、汎用ムーブメント+モジュールの扱いにも長けている。200年近い、スイスでも屈指の長い歴史の中で、ムーブメント会社やサプライヤーと良好な関係を築き、端正なデザインの中に多彩な機構を収めてきた。

この「クラシマ クロノグラフ コンプリートカレンダー」も、実にボーム&メルシエらしい新作。モデル名の通り、クロノグラフにポインターデイト、2つの窓による月・曜日表示、さらにムーンフェイズと24時間表示とが備わる多機能を、上品で控えめな外観に詰め込んだ。同機構搭載のクラシマの初登場は、2015年。今年は、シックでエレガントなディープブルーが追加された。そのダイヤル中央には、グランドルジュ(大麦)の装飾が施され、装いは一層上質に。機能と仕上げは、価格をはるかに超える価値を持つ。

多表示ではあるが、各暦表示の配置は、長く培われた経験に則り、どれも見やすい。やや大振りのケースで、堂々たる佇まいも併せ持ち、腕に多機能とエレガントな外装とを誇れる。

 

BAUME&MERCIER(ボーム&メルシエ)
クラシマ クロノグラフ コンプリートカレンダー
丁寧な仕上げで、上質な気品を与える

赤い三日月を先端に持つポインターデイトの針も、古典にならう。ギョーシェ装飾は、それぞれの模様にメリハリが利く。細いリンクが二重線を描くようなブレスの造作も見事。自動巻き。径42㎜。SSケース&ブレスレット。49万5000円。お問い合わせ先:ボーム&メルシエ

 

[時計Begin 2019 AUTUMNの記事を再構成]
写真/谷口岳史 文/髙木教雄 構成/市塚忠義