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2021.04.29
パテック フィリップ、ロレックス、IWC etc. 王道ブランドの人気モデルはどう変わった!?
『時計ライター髙木教雄が解説! 2021年新作時計レポート』Vol.1
髙木教雄(たかぎ・のりお)
1962年生まれ。1990年代半ばから時計を取材対象の1つとし、『時計Begin』をはじめとする時計専門誌やライフスタイル誌で執筆。
昨年、SIHH(ジュネーブサロン)に代わる新作時計発表会として企画されたWATCHES & WONDERS GENEVAは、突如世界を襲ったパンデミックにより中止となった。そして2021年、同イベントはオンラインという新たなスタイルで開催。38ブランドが参加して4月7日から13日の間、新作がお披露目された。まずは、気になるあの人気定番モデルの新作に注目したい。
パテック フィリップ
幻のSS製「ノーチラス 5711/1A」、なんと新色で登場!
開催前から動向が何かと取りざたされていたのが、パテック フィリップである。何故なら、今年2月に世界的に人気が高いSS製の3針「ノーチラス 5711/1A」の販売中止が発表されたから。その後継機の登場に、大きな期待が寄せられていたのだ。果たして発表されたのは、既存のブルー・ブラック・グラデーションダイヤルに代わるオリーブグリーン・ソレイユダイヤルの新色ノーチラスだった。その色合いの真の魅力は、写真では伝えきれない。ややカジュアルに過ぎるように見えるオリーブグリーンは、実機を見ると極めてシックな色調であることに驚く。さらにケースを傾ける角度によって、ブルーがかったり、グレーがかったりと、色合いが微妙に変わってゆく。この色の変化は、繊細なソレイユ仕上げとPVDによるカラーリングのためという。極めて魅力的な新色ノーチラスは、SS仕様の5711/1Aの最終バージョンであり、残念ながら年内で生産が終了する。取り扱いをめぐっての争奪戦はすでに始まっており、入手は極めて困難。実際に見ることができるだけでも、ラッキーである。
ロレックス
1953年の初代モデルと同サイズ!36㎜ケース「エクスプローラー」
毎年新作が大きく注目されるロレックスは今年、人気モデル「エクスプローラー」を一新した。驚きの変更点は、そのサイズ。既存の39mmから3mmも小さい36mmとしたのだ。これは、1953年誕生の初代から前々作である第5世代のRef.114270まで続いた、いわばオリジナルサイズ。原点回帰とも言える新エクスプローラーは、耐震装置パラフレックスと耐磁性に優れたパラクロム・ヘアスプリングを採用したCal.3230搭載と、ムーブメントが大きく進化。夜光塗料も、発光時間がより長くなったクロマライト ディスプレイへとアップデイトされた。
IWC
すっきり顔で小ぶりになった原点回帰の「ビック・パイロット・ウォッチ」
人気定番モデルのダウンサイジングというアプローチは、IWCでも試みられた。メスを入れたのは、「ビッグ・パイロット・ウォッチ」。その名の通り、46mmの大型ケースを特徴としてきたが、今年新たに43mmの新サイズが導入された。自社製自動巻きCal.82100を搭載したダイヤルは、既存モデルとは違いパワーリザーブ計も日付表示もなく、1930年代にドイツ軍に納品された初代「ビッグ・パイロット・ウォッチ 52T.S.C.」に似る。軍用らしいシンプルな機能美を極め、やはり原点に回帰した。
パテック フィリップ「ノーチラス 5711/1A」/自動巻き。径40mm(10~4時方向)。SSケース&ブレスレット。12気圧防水。401万5000円。問い合わせ:パテック フィリップ ジャパン・インフォメーションセンター
パテック フィリップ「ノーチラス 5711/1A」のケースバックはシースルー。キャリバー 26‑330 S Cを観賞することができる。
ロレックス「オイスター パーペチュアル エクスプローラー」Ref.124270/自動巻き。径36mm。SSケース&ブレスレット。100m防水。67万6500円(予価)。問い合わせ:日本ロレックス
IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ43」/自動巻き。径43mm。SSケース。カーフストラップ。10気圧防水。106万1500円。問い合わせ:IWC
IWC「ビッグ・パイロット・ウォッチ43」は「EasX-CHANGE」システム搭載で、ストラップ交換が非常に簡単。