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2023.01.30
LVMH WATCH WEEK 2023 in シンガポール 新作時計速報 Part2
ウブロ、ゼニス、タグ・ホイヤー、ブルガリ
LVMHグループの新作が一挙に登場!
シンガポールで開催された「LVMH WATCH WEEK 2023」。人気ブランドが発表したばかりの新作モデルを、全4回にわたりご紹介!
ゼニスの新作
昨年即完売した初代デファイ復刻モデル第二弾
1969年に製造された最初期のデファイ「A3642」を復刻し、2022年に発表した「デファイ リバイバル A3642」。美しいブラウングラデーション文字盤の限定250本モデルは、瞬く間に完売した。今回の新作は、その復刻デファイの第二弾。1971年に発表されたデファイA3691がベースになっている。
復刻のポイントは、文字盤のカラー。文字盤外周に向かって、徐々に色が濃くなっていく「ヴィネット」仕上げのレッド文字盤は、とても落ち着きがあり「赤」というよりは「ボルドー」に近い。ファセットカットされた8角形のケースに組み合わされた14面のベゼル、水平方向に溝が設けられたアプライドインデックス、かつてゲイフレアー社が製作した「ラダー」式を再現したブレスレットなどは、第一弾と変わりはない。
オリジナルに忠実に復刻されたモデルだが、唯一違いがあるとすれば、シースルーバックを採用していること。それでも、オリジナルに備わっていた高い防水性「300M防水」は、しっかりと継承されている。また第一弾のデファイ リバイバルは限定モデルであったが、今回の第二弾は、継続生産されるレギュラーモデルである点も、ファンには嬉しい限りだ。
問い合わせ ゼニス
タグ・ホイヤーの新作
60歳のカレラを祝福する特別限定モデル
タグ・ホイヤーといえば「クロノグラフの名門」を連想する人が多いはず。角形のモナコや、クッション形のモンツァなど、タグ・ホイヤーは傑作クロノグラフの宝庫だ。そのイメージを定着させた最初のクロノグラフが、1963年に発表された「カレラ」である。カレラ生みの親であるホイヤー4代目ジャック・ホイヤー氏は、メキシコで開催されていた過酷なロードレース「カレラ パナメリカーナ」の存在を知ると、さっそくレース名を新作のクロノグラフに与えた。
今年2023年は、カレラの60周年。この記念すべき年を、タグ・ホイヤーは限定600本の特別な復刻モデル「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ60周年 アニバーサリーエディション」で祝う。1963年の初期カレラは、シルバーもしくはブラックの単色ダイヤルであったが、1960年代後半になるとインダイヤルの色を反転させたモデルが誕生。通称「パンダ」は、シルバーダイヤルであればインダイヤルはブラック、ブラックダイヤルであればインダイヤルはシルバーとなり、それぞれ「パンダ」「逆パンダ」の愛称で親しまれてきた。今回復刻されたのは、コレクター達から人気の高いパンダ仕様の「2447 SN」である。
「SN」のSはSilver、NはNoir(黒)のこと。インダイヤルの配色はもちろん、針やインデックスの仕様まで、忠実に再現されている。時分針&インデックス中央の黒いライン、ゼロを明確に伝えるダブルストップマーカー、各カウンターのホワイトの針など、視認性を高める仕様が確実に再現されている。このレトロな雰囲気を損なわないよう、サファイアクリスタル製の風防は、カーブの美しい「ボックス型」に。また夜行塗料も経年変化を思わせる「ベージュ」が採用された。
オリジナルと違う点は、夜光塗料に安全性の高いスーパールミノバ®︎が採用され、放射性トリチウムを示す「T」が、文字盤からなくなったこと。またオリジナルは手巻き式のバルジュー製クロノグラフだったが、こちらの復刻版は自社製の自動巻き「キャリバー ホイヤー 02 」が搭載されたことで、6時位置と9時位置のカウンターが逆になっている。ケースバックにはシリアルナンバーが刻まれるほか、ジャック・ホイヤー氏のメッセージが入ったスペシャル時計ボックスに入れられているなど、コレクターには堪らない内容となっている。
問い合わせ タグ・ホイヤー
ブルガリの新作
モザイクをグラデーションで表現
先に紹介した新作「ディーヴァ ドリーム」では、イチョウ型のモザイクはケースの一部として表現されていたが、こちらの新作「ディーヴァ ドリーム モザイカ」では、ダイヤルに敷き詰められたサファイアでモザイクパターンを表現している。ローズゴールドケースのモデルでは、淡いピンクからマゼンタへ、ホワイトゴールドケースのモデルでは、スカイブルーから深みのあるアジュールへ、サファイアの色味で美しいグラデーションを実現。
ローズゴールドのモデルでは、パープルのアリゲーターストラップとケースを繋ぐラグ部分もイチョウの形にデザインされ、ホワイトゴールドのモデルでは、ブレスレットのコマの形状が、イチョウ形に。またどちらのモデルも、ケースサイドにはブリリアンカットのダイヤモンドがあしらわれており、どの角度から見ても、眩い光を放つゴージャスな時計に仕上がっている。
ケースバックはシースルーとなっており、搭載された高精度な自動巻きのムーブメント「BVL191」の動きが楽しめる。ジュエラーであると同時に優れたウォッチメーカーでもあるブルガリ。その実力が存分に発揮されたプレシャスな腕時計が誕生した。
問い合わせ ブルガリ
ウブロの新作
SAXEM第二弾はネオンイエロー
ウブロはこれまで、サファイアクリスタルを用いた透明なケースを、さまざまなカラーで実現してきた。そして今回、最新作のビッグ・バンでチャレンジしたカラーは「ネオンイエロー」。この明るい蛍光色を表現するためにウブロが選んだ素材が、2020年のエメラルドグリーンの「ビッグ・バンMP-11」で採用した「SAXEM」である。
SAXEMとは、Sapphire Aluminium oXide and rare Earth Mineralの頭文字をとったもの。サファイアの基本成分である酸化アルミニウムに、ツリウムやホルミウムなどの希土類元素とクロムを加えた合金で、元々は人工衛星のために宇宙工学で開発された素材だ。サファイア以上の輝きを放ちながらも、素材自体に張力がないため形状が安定。さらにその結晶構造により、ケースのどの角度から見ても同じ濃度に見えるという。
かつてない蛍光色ケースに組み合わされるムーブメントは、自社開発のキャリバー「HUB6035」。ムーブメントは極限までスケルトナイズされ、6時位置のトゥールビヨンは宙に浮いているかのような存在感を放っている。また12時位置には、このトゥールビヨンとシンメトリーになるようサイズを合わせたマイクロローターが採用されている。生産本数は、世界限定50本のみ。またしても希少性の高いビッグ・バンが誕生した。
問い合わせ LVMHウォッチ・ジュエリー ジャパン ウブロ
(構成・文/市塚忠義)