2023.04.23

ロンジンのインターナショナル セールス ヴァイスプレジデントに直撃! パイロットウォッチの真髄って、なんですか?

ロンジンが今年、新作モデルの第一弾として発表したのは、「ロンジン パイロット マジェテック」と「ロンジン スピリット フライバック」だった。どちらも「空」を舞台としたパイロットウォッチ。このところのロンジンは、航空時計に夢中だ。その理由を、ロンジンのインターナショナル セールス ヴァイスプレジデントに聞いた。

Q    もう、ロンジンは長いのですか?

A はい、ロンジンに勤めて、もう18年になります。ですから体の半分ぐらいは、もうロンジン製ですかね(笑)。私のチームには、もっと長く勤めている人も大勢いて、このブレのない安定感こそが、ロンジンの強みでもあります。

ロンジン インターナショナル セールス ヴァイスプレジデント、ザビエル・リゲロ氏 。2005年に「ロンジン」に入社。数年間、各販売部門で幅広い経験を積んだ後2014年に商品開発部門責任者に着任。国際的なビジネス開発における豊富な専門知識を有し、2021年にロンジン インターナショナル セールス ヴァイスプレジデントに就任。

Q  では、今年の最新作について。パイロットウォッチに注されていますが、その理由は?

A   数年前から、ロンジンのメインステージに、再びアビエーションを戻したいという気持ちがありました。それで生み出したのが「ロンジン スピリット」コレクションです。ロンジンには、リンドバーグ アワーアングルウォッチやビッグアイなど伝説的なパイロットウォッチがすでに存在しますが、かつてのヘリテージだけでなく、現代においても力強いフルコレクションが必要であると考えたのです。ロンジンの時計は、その信頼性、精度、堅牢性、そして独自の技術によって、数々のパイオニア的な偉業の成功に寄与してきました。未知の土地を目指す探検家たちの旅に同行し、異常気象をものともせず、荒々しい海を航海し、新しい航空路の開拓や航空記録の樹立に一役買ってきたのです。私たちは、ロンジン スピリット コレクションとその最新作である「ロンジン スピリット Zulu Time」と「ロンジン スピリット フライバック」によって、このユニークな歴史を継承し、新たな革新に息吹を吹き込んでいきます。

「ロンジン スピリット フライバック」。自動巻き。径42㎜。SSケース&ブレスレット。65万6700円。

Q ロンジン スピリットは全モデルCOSC認定を受けているようですが、その理由は?

A    はい、文字盤に入っている星マークは、高精度の証です。このロンジン スピリットのコレクションは、精度においてベストな状態でユーザーに提供したかったのでCOSC取得が必要だと考えました。現在ロンジンは、時計の精度において三段階のステップを用意しています。まずはノンCOSC、次にCOSC、そしてより厳格な新たなCOSC認定です。より厳格なCOSC認定は、その対象がムーブメントだけでなく、時計ヘッド全体のクオリティにも影響するものを対象とした厳しいテストが課されます。取得モデルを、これから増やしていきたいですね。日本の時計文化は非常に高度で、時計の精度にとても厳しいので、この新規格はきっと日本でも好意的に受け入れられると思います。

ロンジンが新たに発表した「キャリバーL791.4」は、連続計測が可能なフライバック機能を持つクロノグラフ・ムーブメント。シリコン製ひげゼンマイに加え、約68時間のパワーリザーブを持つ。

Q   では、ロンジンが考えるパイロットウォッチの定義とは、なんでしょう。

A 空の専門家に、信頼できるナビゲーションを提供する、ということではないでしょうか。パイロットにとって正確な時刻の表示は、生と死を左右する何より重要な情報。かつてのパイロットは今と違い、誰もが命がけだったと思います。ハワード・ヒューズや、エイミー・ジョンソンなど、数々の偉業を成し遂げた空の英雄の多くがロンジンの時計や計器を選んだのは、時間が「正確」だったからです。パイロットウォッチに必要なのは信頼できる精度です。

Q   ロンジンのパイロットウォッチで、重要な役割を果たしたものを3本選ぶとしたら?

A   その質問は、私には、なかなか酷ですね(笑)。ロンジンの歴代パイロットウォッチを徹底的に調べ上げてきたので、好きなパイロットウォッチが多すぎるんです。でもあえて個人的に3つ選ぶとしたら、腕時計になる前のコクピットクロック、リンドバーグのアワーアングルウォッチ、それからフィリップ・ヴァン・ホーン・ウィームスとともに開発したセコンドセッティングのパイロットウォッチですかね。

Q   かつてのパイロットウォッチでいうと、1935年の伝説的なモデル「マジェテック」が復活しましたね。

A   ベゼルを回してみてください。とても滑らかな動きですよ。実はすごく複雑なメカニズムになっていて、ディファレンシャルギアを使ってこの滑らかさと薄さを両立させることに成功しています。それからケースサイドには、1935年を記念するプレートが取り付けられていますが、これは単なる飾りではなく、そのプレートを外してメンテナンスすることができるんです。10気圧の防水性をキープしているのも、ポイントです。ムーブメントにはシリコンパーツを採用し、耐磁性能も備えているなど、見た目はヴィンテージですが、スペックは最新の時計に仕上がっています。とてもスペシャルな時計なので、欲しいなら今のうちですよ(笑)。

「ロンジン パイロット マジェテック」。自動巻き。径43㎜。SSケース。レザーストラップ。55万円(初回スペシャルボックス入り)。

レザーストラップの他に、ファブリックストラップもラインナップ。55万円(初回スペシャルボックス入り)。

 

本日は、どうもありがとうございました!

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(文・構成/市塚忠義)