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2023.04.23
ウォッチズ&ワンダーズの主役たち W&W2023 速報 Part7 ロレックス/ロジェ・デュブイ/タグ・ホイヤー
W&W2023 速報 Part7
ロレックス/ロジェ・デュブイ/タグ・ホイヤー
3月27日からスイスのジュネーブで開催された「ウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブ」。3回目となる今年は、48のブランドが参加した。新作の詳しい情報は、2023年6月8日発売の『時計BeginVol.110』でも紹介する予定だが、ここでは華やかな時計展示会の主役となった、人気ブランドの注目モデルだけを厳選。全8回にわたり、約50本を紹介する。
ロレックスの新作
オイスターケース初のトランスパレントケースバック
1963年に誕生したコスモグラフ デイトナは、今年で60周年。この記念すべき年に、かつてない仕様の新作が披露された。新型デイトナは、950プラチナとオイスタースチール、オイスタースチール&イエローゴルド、イエローゴールド、エバーローズゴールドの5種類のケース素材で発表されたが、このうち、950プラチナモデルにのみ、オイスターケースで初となるトランスパレントケースバックが採用されたのだ。中に搭載されたムーブメントも新型。キャリバー4130を進化させたキャリバー4131は、回転ローターに開口部が設けられ、トランスパレントケースバックの950プラチナモデルのみ、回転ローターの素材がイエローゴールド製となっている。外装も全面的に見直され、セラクロムベゼル搭載モデルは、ベゼルのフチにケースと同じ金属を採用。ラグの形状も、よりカーブの強いラインになっている。ダイヤル面に大きな変更はないが、先代モデルと比べるとバーインデックスがやや細くなり、インダイヤルのリングの幅が細くなるなど、よりシャープさが強調された。
ロレックスが新たに発表した完全なる新コレクションの新モデル、それが「パーペチュアル 1908」。モデル名の「1908」とは、ロレックス創立者ハンス・ウイルスドルフが、ROLEXというブランド名をスイスで商標登録した年である。現行コレクションでは唯一のスモールセコンドを備えており、新開発したキャリバー7140には5つの特許が盛り込まれている。また上のプラチナモデルのデイトナ同様、この新モデルにはトランスパレントケースバックが採用され、美しい装飾が施された高精度なクロノメーター・ムーブメントをいつでも楽しめるようになっている。エレガントなフルーテッド(刻み)とドームを組み合わせたベゼルデザイン、繊細な時分針とアワーマーカーなど、ロレックス伝統の時計スタイルを継承している点も、ファンにはたまらない。写真のイエローゴールドケースの他に、ホワイトゴールドケースもラインナップされ、それぞれホワイトダイヤルとブラックダイヤル、合計4モデルが発表された。
お問い合わせ:日本ロレックス公式サイト
ロジェ・デュブイの新作
重力に挑み、そして味方につけたコンプリケーション
複雑時計を得意とするロジェ・デュブイから、またしても驚異的なコンプリケーションウォッチが誕生。9時位置のトゥールビヨンは、自転しながら360度の軌道上を移動する。12時位置にセットされているのは、巻き上げ用のローター。「ターボローター・シリンドリカル・オシレーティング・ウェイト」と名付けられ、垂直に取り付けられたユニークな樽型のローターが回転しながら巻き上げを行う。さらにスプリットセコンド・クロノグラフまで搭載しており、3時位置の回転式ミニッツカウンターで計測。固定された0〜9の数字を、0と2の間にある小さい針が回転しながら計測を行う。大胆な赤いケースの素材は、MCF(ミネラルコンポジットファイバー)という超ハイテク素材で、軽量でありながら耐久性にも優れている。
複雑時計だけでなく、つい見惚れてしまうような芸術的な時計もまた、ロジェ・デュブイの真骨頂。エクスカリバー・コレクションから登場した新作は、色鮮やかなスピネルが特徴。レッドからブルーへと変化するスピネルには、スーパールミノバ™️をコーティング。「スピンストーン™️」と名付けられた独自の宝石が、ベゼルと文字盤のフランジを取り囲み、昼でも夜でもフルタイムで輝き続ける。カーブしながらもエッジな面も持ち合わせる世界初のストーンカットは特許出願中。ロジェ・デュブイのシンボルである星をイメージしたオープンワークにも3Dスピネルが採用され、その中心にはダイヤモンドがセットされた。マイクロローター(10時位置)のムーブメントは、約72時間のパワーリザーブ。ダイヤモンドコーティングしたシリコン製アンクルと新しいオイルで耐久性をアップさせた最新型のムーブメントを搭載している。
お問い合わせ:ロジェ・デュブイ 銀座ブティック
TEL:03-5537-5317
タグ・ホイヤーの新作
タグ・ホイヤー カレラ60周年を祝うスペシャルな2本
クロノグラフの代名詞「カレラ」が、またしても大きな進化を遂げた。新型の「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」は、1970年代カレラのドーム型ガラスのイメージを受け継ぎながらも、そのレトロ感を斬新な方法で表現している。秒のインデックスが刻まれたダイヤル外周のフランジはすり鉢状にカーブ。さらにその外側にはフランジと逆のカーブを描くタキメータースケールが刻まれ、そのカーブに沿うようにドーム型のサファイアクリスタル風防がセットされている。ダイヤルと一体化した山なりのベゼルの艶やかな存在感が、かつてないクロノグラフのデザインを完成させている。生まれ変わったのは、外装だけではない。敏腕ムーブメント・ディレクター、キャロル・カザピ氏によって、自社製のクロノグラフ・ムーブメント、ホイヤー02もさらに進化。新型ムーブメントは「TH20-00」は、これまで片方向だったローターの巻き上げが、両方向巻き上げとなり、パワーリザーブも最大約80時間にアップしている。
カレラ60周年を祝う、もうひとつのスペシャルモデルがこちら。上のモデルとデザインを同じくするクロノグラフだが、ダイヤルの6時位置にはスモールセコンドのカウンターではなくトゥールビヨンがセットされている。その大きな開口部は文字盤外周ギリギリにまで寄せられ、カーブしたドーム型ガラスからトゥールビヨンの動きをダイナミックに感じることができる。ダイヤルのアワーマーカーの外側にはオレンジ色のインデックスのアクセントが。1960年代のレースカーのダッシュボードクロックから想を得たという三角型の秒針も同じ色に揃えることで見事な統一感を生んでいる。搭載するムーブメントは、やはりキャロル・カザビ氏が監修。手巻きではなく、自動巻きのトゥールビヨンにしてCOSCを取得しており、5年間の保証が付帯する。
お問い合わせ:タグ・ホイヤー公式サイト
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(文・構成/市塚忠義)