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2023.07.14
「イチバン時計物語vol.1」世界トップクラスのスペック
世界トップクラスのスペック
もっとも〇△▢な時計といえば……
ブランドが自社の技術力をアピールするため、しのぎを削って次々にリリースしている高機能モデル。ロングパワーリザーブに始まり防水深度、耐磁、高精度、それに最薄など、その種類は実に豊富。そこで、注目すべきトップクラスのスペックに絞って各カテゴリーの最高峰をピックアップ。これさえ着けておけば腕元バトルで負け知らずのユニークピースは、チェックするだけでもトクした気分!
①もっともスタミナのある時計といえば……
\31日間パワーリザーブ/
ゼンマイの長さはなんと合計3.7m!
機械式時計に求められる機能のひとつであるロングパワーリザーブ。一度の巻き上げで1週間以上連続して駆動し続けるいわゆる「8日巻き」は、懐中時計の時代からロングパワー時計の代名詞として重宝されてきた。近年に至り工作機械やパーツ品質も向上し、腕時計でも10日間駆動を実現したモデルが散見されるようになった。しかしドイツの古豪は、一気に1か月間のスタミナを誇る31日巻き時計をリリースし、世界から注目を浴びているのである。
上下に重ねた2つの香箱には合計3.7mもの長さのゼンマイが込められており、そこから発する強大なパワーが長寿命の鍵となっている。しかし膨大なトルクはその制御が実に困難。そこで同社では香箱と脱進機の間にルモントワールと呼ばれる動力制御装置を組み込み、安定して細く長く動力を脱進機に受け渡すメカニズムを実現させた。ちなみに強力なゼンマイはリューズでの巻き上げが困難なことから鍵巻き式であり、ケースバックの穴に専用の巻き鍵を差し込んで手巻きするスタイルである。
お問い合わせ:A.ランゲ&ゾーネ公式サイト
②もっとも海に強い時計といえば……
\機械式で6000m防水/
1万m以上の潜水成功を経て堂々のリリース
機械時計に求められる日常機能の代表格が防水性だ。1920年代に顕著となった捻じ込み式のケースバック及びリューズの開発を皮切りに、1960年代からは防水パッキンの進化も手伝って、腕時計の防水性は飛躍的に向上したと言う。そんな各社がしのぎを削って打ち出す防水時計だが、現在、海洋の最もエクストリームな場所に到達した時計はオメガの試作型シーマスター プラネットオーシャンであり、マリアナ海溝の水深1万935mにおいて正常に機能したという記録を残している。
そしてその技術を転用し完成させたダイバーズウォッチこそ、2022年リリースのシーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープだ。頑丈かつ美しい輝きを放つO-MEGAスチールをケース等に用い、形状を最適化させたサファイヤ風防に独自のガスケットの位置づけを取り入れることで、6000mという優れた防水性を実現させたのである。この気密性は非常に高く、潜水用酸素ボンベに用いられるヘリウムガスの侵入をも防ぐため、排出バルブなしでのISO飽和潜水ダイバーズ規格に関しても認定を受けている。
お問い合わせ:オメガ公式サイト
\クォーツで5000m防水/
時計内部へのオイル封入で高い防水性を獲得
防水数値にフォーカスした場合、機械式ダイバーズはオメガにリードを許すものの、クォーツ式ならドイツの実力派も超実用的かつタフな高機能ダイバーズを打ち出している。パイロットウォッチで知られるジンは、実は潜水時計に関してもエクストリームなノウハウを有している。なかでも注目すべきはハイドロテクニックと呼ばれる技術。それは時計内部に特殊なオイルを満たすことで、水圧に耐えうる機能性を実現させるもの。機械込みならば5000m、ケースのみならばなんと12000mまでの耐圧テストにクリアしたという。
またこのUX.S.GSG9モデルはドイツの高性能潜水艦で知られる「Uボート」の船体に用いる特殊スチールに、独自のテギメント加工をベースとしたブラック・ハード・コーティングを施したケースを使用しており、ブランド史上最高の1500ビッカースとなる超硬ボディをも特徴とする。また、ハイドロテクニックを用いたモデルは文字盤の視野角度が広いところもポイント。光の反射で視認性が落ちることなく、水中でもクッキリ文字盤が確認しやすいのである。
お問い合わせ:ジン公式サイト
③もっとも高さに強い時計といえば……
\機械式で高度6000mまで計測可能/
独自カーボンファイバーケースは軽くそして屈強
パイロットにとって自分が今どこを飛行しているかを正確に把握することはとくに重要。経度・緯度による位置情報も大事だが、同様に高度についても常に確認しておく必要がある。伝統的なカレンダーウォッチ等で知られるオリスは、1930年代の古くからパイロットウォッチも手掛けており、2014年には4500mまでの高度計を備えたモデルをリリースしているのだ。その技術を進化させたこのプロパイロット アルティメーターは、6000mまでの高度表示機能を搭載した、世界で唯一の自動巻き時計。高度確認は4時位置のリューズ操作だけで完結するというシンプルな機構もポイントだ。
ケースは文字盤外周を高度計に利用することもあって、やや大きめとなる径47mm。そこでチューリッヒに拠点を持つ特殊素材研究所とのコラボにて、積層構造のカーボンファイバーケースを開発。時計業界初の特殊なカーボンファイ
お問い合わせ:オリス公式サイト
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※今特集は編集部でリサーチした結果です。さらなるハイスペック、歴史を持つ時計の情報がありましたら、時計Begin Webまでご連絡ください。
文/長谷川 剛(TRS)