2023.07.18

着けて納得インプレッション! ボーマティック搭載の「リビエラ」が最強説

今年50周年を迎えたボーム&メルシエの傑作

12角形のベゼルを4つのビスで留めるスタイルは、誕生から変わらない。横からチラリと見えるさり気ないゴールドリングが、お洒落。

1973年に誕生したボーム&メルシエのリビエラは、2023年で50周年。今年の主役は紛れもなく、このリビエラから誕生した新作であろう。ちなみにリビエラとは、南フランスに位置する海岸リゾート地のこと。フランス語ではコート・ダジュールとして有名だが、その海岸の西側(フランス側)が英語でフレンチ・リビエラと呼ばれていることがモデル名の由来だ。現在のリビエラは2021年に誕生した第5世代。第4世代が2004年発表であるから、たっぷりとした充電期間を経て、新生リビエラとして生まれ変わったわけだ。この時のリビエラのケース径は42㎜。大きすぎず小さすぎず、絶妙のサイズ感だったが、今回の新作では、ひとまわり小さい39㎜ケースを初採用している。

「リビエラ ボーマティック チタニウム」。Ref.10720。自動巻き。径39㎜。SSケース(チタンベゼル)。ラバーストラップ。56万1000円。

個人的には、42㎜ケースよりも小さくなった39㎜ケースの方が、精密な12角形ベゼルがより強調され、存在感が増したのではないかと感じた。新作のバリエーションは3種類。SSケースの青文字盤、グレー文字盤、そしてチタンベゼルを採用したグレー文字盤だ。時計Beginが注目したのは、最後のモデル。5NピンクゴールドのPVD加工を施したリングが、マイクロブラスト仕上げのチタン製ベゼルの内側と下側にそれぞれセットされ、控え目ながらもゴージャス感をアピールしている。

ハイスペックなボーマティック・ムーブメントは、全面にペルラージュ装飾を施し、美観的にも高得点。

文字盤に採用されているのは、透明なサファイヤクリスタル。ここにスモーキーなグレーを着色することでチタンベゼルのマットな質感と見事な一体感が生まれ、更なる奥行きも。そして、後ろに透けて見えるのは、ボーム&メルシエが誇る傑作ムーブメント、ボーマティックである。完成度の高いムーブメントが搭載されている安心感は、絶大。センスに溢れる「外装」を後押しするのは、信頼できる「中身」である。

このボーマティック・ムーブメントを搭載する、もう一つの新作リビエラが、300mの防水機能を持つ「リビエラ アズール 300m」だ。先に紹介した「リビエラ 39㎜」との大きな違いは、回転ベゼルを装備する本格ダイバーズウォッチであるということ。海岸リゾート地をモデル名の由来に持つリビエラは、もともと防水性に優れるマリンウォッチであったが、300mの防水機能が備わったのは、これが初めて。ダイバーズウォッチという点では、すでに1981年に発表した第2世代が存在するが、その時の防水性能は100mであった。

スモーキーグレーの透明なサファイアクリスタル文字盤には、ウェーブ装飾が入っており、海辺のリゾート地を連想させる。

特徴的な回転ベゼルの15分ダイビングスケールはラッカー仕上げでブラック(もしくはブルー)に。リビエラのアイコンである12角形のエッジには、陽極酸化処理で色づけしたアルミニウム製のノッチが刻まれ、滑り止め防止とともに操作性を高めている。

「リビエラ アズール 300m」。Ref.10717。自動巻き。径42㎜。SSケース&ブレスレット。58万3000円。

15分目盛りの重要性から、先に紹介したリビエラの39㎜モデルでは3時位置にある日付表示は、目盛りと重ならない4時位置にセットされ、視認性にも配慮している。もともとボーマティックには120時間というパワーリザーブに加え、日差−4秒〜+6秒の高精度、そして1500ガウスの耐磁性能が備わっているが、このタフ仕様ムーブメントを防水性の高いケースに収めたリビエラの新作ダイバーズは、数あるボーム&メルシエ時計の中でも「最強」との呼び声が高い。

ボーマティック・ムーブメント搭載モデルの国際保証期間は8年間(通常の2年に加え、WEB登録で6年延長)。このことからも同社がボーマティックに信頼を寄せていることが分かる。

お問い合わせ: ボーム&メルシエ公式サイト

文・構成/市塚忠義