2023.08.09

着けて納得インプレッション!  オメガ「シーマスター サマーブルー」のグラデーションに込めた思いとは?

シーマスターファミリーが「ブルー」で結束

「シーマスター アクアテラ」。150m防水。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレスレット。94万6000円。

スポーツウォッチに強いブランドはもちろん、クラシックウォッチが主軸のブランドであっても、防水機能に優れる「ダイバーズ」というカテゴリーを重視している時計ブランドは多い。「磁力」とともに機械式時計の最大の敵である「水」を克服することは、避けては通れない課題。ユーザー側も防水性能に関しては譲れない気持ちがあるからこそ、ダイバーズウォッチは、いつの時代も人気が高いのだろう。

「シーマスター アクアテラ ワールドタイマー」。150m防水。自動巻き。径43㎜。SSケース。ラバーストラップ。143万円。

日常生活における優位性に加えて、時計ファンがダイバーズウォッチに夢中になるのは、人類のロマンが、そこに凝縮されているからだ。誰も見たことない未知の深海へ挑むには、やはり特別な腕時計が必要である。見るからに力強く、武骨。こうしたハイスペックな腕時計を所有できる喜びは大きい。

「シーマスター 300」。300m防水。自動巻き。径41㎜。SSケース&ブレスレット。106万7000円。

多くの場合、ひとつの時計ブランドを代表するダイバーズウォッチは、ひとつだけ。だが例外がある。それがオメガだ。オメガの「海」を象徴するモデルといえば、誰もがシーマスターと答えるだろう。だが、このコレクションを一言で表すことは非常に難しい。どんなスタイリングにもマッチするスマートな「シーマスター アクアテラ」からオリジンを強く受け継ぐ「シーマスター 300」。完全プロ仕様の「シーマスター プロプロフ」に加えて、最高防水性能を持つ「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」まで、そのラインナップは多岐にわたる。

「シーマスター ダイバー 300M」。300m防水。自動巻き。径42㎜。SSケース。ラバーストラップ。84万7000円。

ダイバーズウォッチ(アクアテラはダイバーズではないが)というカテゴリーに、これだけスター軍団が集まっているブランドは、オメガだけである。150m、300m、600m、1200m、6000mといった具合に、防水性能によってコレクションを細かく分類。それぞれモデルの個性も際立っており、全てのモデルを熱狂的なファンが支える。

「シーマスター プラネットオーシャン」。600m防水。自動巻き。径39.5㎜。SSケース&ブレスレット。106万7000円。

これまでオメガの「シーマスター」は、それぞれのモデルごとに新作を展開してきたが、今回のニュースは、そのファミリー全体が俯瞰できるような非常にユニークで大胆な新作が発表されたこと。新たに投入された「シーマスター サマーブルー」は、シーマスターファミリー総出の7モデル(全11種)。ダイヤルカラーは全てブルーで統一されているが、ブルーダイヤルの「濃さ」が防水性能によって変化していくのが、なんとも面白い。海に潜った時、深くなれば深くなるほど光が届かなくなり暗くなっていく様子を表しているという。

「シーマスター プロプロフ」。1200m防水。自動巻き。ケース55×45㎜。O-MEGAスティールケース。ラバーストラップ。204万6000円。

つまり最も淡いブルーを採用しているのが「シーマスター アクアテラ」であり、最も濃いブルーダイヤルを持つのが「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」である。一堂に並べれば、そのグラデーションの美しさは一目瞭然。ダイバーズウォッチを数多く有するオメガだからこそ実現できた試みと言えよう。

「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」。6000m防水。自動巻き。径45.5㎜。O-MEGAスティールケース&ブレスレット。187万円。

「シーマスター アクアテラ」ではヨットデッキを思わせるチークパターン。「シーマスター サマーブルー ワールドタイマー」ではチタンプレートにレーザー加工で海と大陸を表現。「シーマスター ダイバー300M」では、波模様のセラミック製ダイヤルにニス加工のグラデーションなど、レギュラーダイヤル同様に、単純な「ブルー」ではないところも魅力のひとつ。

「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」にUVライトをあてると文字盤から隠しメッセージが。

なかでも最もユニークな「仕掛け」を楽しめるのが、「シーマスター プラネットオーシャン ウルトラディープ」のブルーダイヤルだ。ダイヤルにはマリアナ海溝の海底の様子がリアルにマッピングされており、何層ものラッカー仕上げを施すことで見事な立体感を表現している。ここにUVライトを当てるとなんとも興味深い「仕掛け」が姿を表す。「OMEGA WAS HERE!(オメガはここに到達)」の手描き文字が現れ、実際にウルトラディープが到達した海底10935Mのポイントを指し示すのだ。深海にチャレンジしたオメガのユニークな遊び心が、我々の好奇心を一気に海底へと案内する。

お問い合わせ:オメガ公式サイト

文・構成/市塚忠義