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2023.08.23
「イチバン時計物語vol.4」歴史を変えた1番最初の時計”初リューズ””初耐磁””初デジタル表示”
この発明がなければ今の時計はなかったかも!? その2
初めて〇△▢をした時計ブランドといえば……
機械式時計の歴史は技術革新の歴史でもある。現在ではスタンダードとなっているそのテクノロジーやアイディアを、世界で一番早く実現させたモデルは一体どれ? そこでソノ筋において世界一の称号を持つ傑作モデルやまつわる革新的人物を、種目別に紹介していこう。
⑪初めてリューズ付きの時計を作ったブランドと言えば…
\1847年ジャガー・ルクルト/
旧来の鍵巻き式から簡単かつ確実な操作に
時計内部の機構をコントロールする役割を持つリューズ。しかし懐中時代の初期にはまだ存在しないパーツだった。当初は鍵と呼ばれる付属の巻き上げ用具を使用し、主ゼンマイの巻き上げや、時刻合わせを行っていた。リューズセッティングに関しては諸説あるが、鍵を使わずリューズとダボ押し(ケースサイドに設けたボタン)の併用にてゼンマイ巻き上げと時刻調整を行う機構は、ジャガー・ルクルトの始祖であるアントワーヌ・ルクルトが1847年に発明。これにより簡単かつ確実な操作が可能となった。
※巻き上げ&調整できるリューズを最初に作ったのは1820年ジョン・アーノルド、その後1938年ルイ・オーデマという説もあり。しかしどちらも大量生産には不向きな構造で、実用化できたのはルクルトだったとか。
お問い合わせ:ジャガー・ルクルト公式サイト
⑫初めて耐磁時計を作ったブランドと言えば…
\1930年代ティソ/
先進の磁場装置を導入し磁気に強い時計を量産
一般家庭への直流電気の供給が米国などから始まり、いよいよ電気生活が本格的に始まった1920年代。これにより機械式時計の精度は著しく影響を受ける事態となった。そこでティソはこの問題解消のため、世界初の耐磁時計「ティソ アンチマグネティーク」を1930年代に製作。同社では耐磁性をチェックするため、クロノ-エレクトロマグネットなど当時最先端の設備を導入。1938年には強度磁場発生装置を用い、テストを行いつつ優れた耐磁時計を量産する体制を実現。10年の研究を経て、全製品を耐磁化させるに至った。
お問い合わせ:ティソ公式サイト
⑬初めてデジタル表示腕時計を作ったブランドと言えば…
\1970年ハミルトン/
可動部品もカチコチ音もない未来派ウォッチ
回転ディスクを用い、文字盤の小窓からデジタル的に時刻表示を行う時計は20世紀初期にも存在した。しかし物理的な可動部品を持たず、また時刻を刻む音もしない、電気的デジタル時計はミッドセンチュリー以降の登場となる。1970年5月に発表された「ハミルトン パルサー」は、世界で初めてのLED式デジタル時計。赤く輝く電光表示はフューチャリスティックなクッションケースと相まって、スペースエイジを彷彿させるもの。18Kイエローゴールド製ということもあり、当時の自動車1台分に相当する$2100という極めて高額な価格となった。
お問い合わせ:ハミルトン公式サイト
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※今特集は編集部でリサーチした結果です。さらなるハイスペック、歴史を持つ時計の情報がありましたら、時計Begin Webまでご連絡ください。
文/長谷川 剛(TRS)