2023.09.15

グランドセイコーの名機キャリバー9Sの 25周年を記念する2つの限定モデル

なんだか運気が上がりそうな爽快なブルーダイヤル

「メカニカル」「スプリングドライブ」「クオーツ」と、3つのムーブメントを有するグランドセイコーにおいて、「メカニカル」の柱になっているのが「キャリバー9S」である。「新グランドセイコー規格」に基づくムーブメントとして1998年に誕生。以来、グランドセイコーの高精度の象徴として、時代に合わせて進化を遂げてきた。

「Sport Collection キャリバー9S 25周年記念限定モデル」。SBGJ275。自動巻き。径44.2㎜。SSケース&ブレスレット。世界限定2000本(うち国内875本)。104万5000円。

2009年には毎秒10振動の9S85が誕生。MEMS技術を導入した脱進機や、新合金スプロンが初めて採用され、これらの仕様が2010年に誕生する8振動の9S6系に継承されるとスタンダードに。そして2020年にはパワーリザーブなどあらゆるスペックを見直した「新キャリバー9SA5」が、さらに今年2023年にはグランドセイコー初のメカニカルクロノグラフムーブメント「キャリバー9SC5」が誕生したことは、記憶に新しいだろう。

ケース径は44.2㎜と迫力があるが、リューズを4時位置にセットして手首に干渉しないようにするなど、フィット感は申し分ない。

そんなグランドセイコーの大傑作「9Sキャリバー」の25周年を記念して、2つの特別なモデルが限定でリリースされた。共通するのは爽やかな「スカイブルーダイヤル」だ。「Sport Collection キャリバー9S 25周年記念限定モデル」のダイヤルでは、この時計が組み立てられている岩手県の「グランドセイコースタジオ 雫石」から望む岩手山の「雲海」の美しさを表現。立体的な雲の積層を見事に実現しており、サファイヤクリスタル製の回転ベゼルが、さらにダイヤルの透明感を引き立てている。

「Elegance Collection キャリバー9S 25周年記念限定モデル」。SBGM253。自動巻き。径39.5㎜。SSケース&ブレスレット。世界限定1700本(うち国内700本)。75万9000円。

「Elegance Collection キャリバー9S 25周年記念限定モデル」のスカイブルーダイヤルでは、岩手山の山頂から見上げる中天を表現。放射状にスジが広がるサンレイ加工のスカイスルーダイヤルにブルースティールのGMT針をセットし、ボックス型のサファイヤクリスタル風防を組み合わせることで、どことなくクラシックな印象に仕上げられている。

「Sport Collection キャリバー9S 25周年記念限定モデル」の回転ローターは
ダイヤル同様のスカイブルーに。

「Elegance Collection キャリバー9S 25周年記念限定モデル」の回転ローターは、グランドセイコーブルー。

どちらの限定モデルも、シースルーバックを採用(特に最初に紹介した20気圧防水のメカニカルウォッチでは初めてのシースルーバックケース)。陽極酸化処理によって「Sport Collection キャリバー9S 25周年記念限定モデル」の回転ローターはスカイブルーに、「Elegance Collection キャリバー9S 25周年記念限定モデル」の回転ローターはグランドセイコーブルーに色付けされ、裏から見てもその特別感を味わうことができる。どちらも希少な限定モデルゆえ、のんびりと悩んでいる時間は、なさそうだ。

お問い合わせ:グランドセイコー公式サイト

文・構成/市塚忠義