2023.10.10

アジムート改め「アジムース」が再び上陸

あの「おもちゃの時計」が帰ってきた!

「AZIMUTH(アジムース)」という時計ブランドを、ご存知だろうか。時計ファン歴の長い人なら「アジムート」という名前で記憶している人が多いかもしれない。ちょっと以前(といっても20年程前)に、他にはないユニークなデザインの時計を本格的な機械式で表現して話題になった、スイスのヌーシャテルを拠点とする時計ブランドである。「AZIMUTH」とは方位を意味しており、常に時計の新しい方向を追求するという思いが込められている。

大人になってからでは、思いつかない自由な発想。子供のころ夢中になった遊び心をそのまま形にしたような時計は「The Toy Watchmaker(おもちゃの時計屋)」という異名で呼ばれるようになった。年間の生産本数は、わずか1000本。その希少性もあって、日本にはほとんど入荷されていない状況であったが、この度、時計の輸入代理店である株式会社ムラキによって、日本での本格的な販売が再スタートされることになった。ここでは、アジムースの代表的なコレクションを紹介していこう。

AUTOMOBILE(オートモービル)コレクション

1960年代のレーシングカーに見られる滑らかな曲線の美しさからインスピレーションを得て、2014年に誕生したコレクション。

ケースのシルエットは1960年代のポルシェ911を参考にしている。「オートモービル フルポリッシュ SP.SS.GT.N001」。自動巻き。ケース縦50×横44㎜。SSケース。カーフレザーストラップ。世界限定150本。125万6000円。

車のハンドルを握った時にダイヤルが正面になるよう設計されている。

ダイヤルはヴィンテージカーのダッシュボードに装備されたスピードメーターからヒントを得たもの。「オートモービル シルバー SP.SS.TT.N003」。手巻き。ケース長さ54×幅50㎜。SSケース。カーフレザーストラップ。世界限定88本。154万円。

車のボンネットを模した時計カバーの下には、手巻きのムーブメントが2つ収まっている。

モーターサイクルのエンジンを模して作られた左右非対称のケース。実際のチェーン構造で時分針を動かす。「オートモービルSP.SS.CR.N006」。自動巻き。ケース縦38×横55㎜。SSケース。カーフレザーストラップ。137万5000円。

左右非対称のケースは、裏のシースルーバックでも表現されており、中にセリタSW200-1ベースのムーブメントを確認することができる。

MR ROBOT(ミスターロボト)コレクション

レトロでノスタルジックなブリキロボットの愛好家やSFファンに向けたコレクション。愛くるしいデザインながら、本格的な時計機能が備わる。

ロボットの顔を、時針と分針のインダイヤルで「目」、レトログラード式の扇形の秒針で「口」を表現。「ミスターロボト2 SP.SS.ROT.N001」。自動巻き。ケース縦55×横47.5㎜。SSケース。カーフレザーストラップ。154万円。

SPACE(スペース)コレクション

巨大なブラックホール、はるか彼方の銀河、未知の惑星など、無限に広がる宇宙をテーマにしたコレクション。ケースとダイヤルは宇宙船をイメージ。

巨大な分針に開けられ窓の中で、回転するアワーディスクが「時」を示す。「スペースシップ SP.SS.PV.N001」自動巻き。ケース径45㎜。SSケース(ブラックPVD)。ラバーストラップ。香港限定88本。国内入荷限定1本。140万8000円。

お問い合わせ:ムラキ公式サイト

文・構成/市塚忠義