2024.01.24

オメガ「スピードマスター ダークサイド オブ ザ ムーン アポロ8号」が パワーアップしてカムバック!

どうやって書いた!? 秒針の中にも「USA」の極小文字が!

「スピードマスター ダークサイド オブ ザ ムーン アポロ8号」。手巻き。ケース径44.25㎜。ブラックセラミックケース。ラバーストラップ。50m防水。220万円。

我々人類が初めて「月の裏側(ダーク サイド オブ  ザ ムーン)」をみたのは、1968年。オメガのスピードマスターが、この快挙に立ち会ったことはあまりにも有名な話だ。そして、アポロ8号の人類初の月周回飛行から50年を記念して2018年に誕生したのが、スピードマスターの特別版である「スピードマスター ダークサイド オブ  ザ ムーン アポロ8号」である。

地球から見える月の表面をダイヤル側で、宇宙飛行士だけが見ることができる月の裏側をムーブメント側で表現。特殊なレーザー加工で月の表面をリアルに再現したダイヤルやムーブメントで注目を集めたが、同じデザインを採用しつつも、そのディテールを見直した新型モデルが発表された。

まず、前作と異なる点は、搭載されているムーブメントだ。前作が48時間パワーリザーブのキャリバー1869を搭載していたのに対し、こちらの新型では、50時間パワーリザーブの新キャリバー3869が搭載されており、METAS(スイス連邦計量・認定局)によるマスター クロノメーターを取得している。1万5000ガウスの超耐磁性能を持ち、5年間の国際保証が約束される、安心感の高いムーブメントだ。

ブラックセラミックのケースに変わりはないが、同じケース径44.25㎜を採用しながらも、ケース厚が13.80㎜から12.97㎜へと、わずかに薄くなっている。ベゼルやプッシュボタン、リューズもブラックセラミック製。またベゼルのタキメーター、リューズのオメガマークが、ホワイトのスーパールミノヴァから「グラン・フー」エナメルに変更されている。

そして、一番注目したい点が、9時位置に配されているスモールセコンドの「秒針」。とにかく、できるだけアップで見て欲しい。もはや肉眼では確認することは難しいレベルだが、秒針にはNASAのサターンVロケットが象られている。そのサイズ比は1/19000。しかもそれは平面プレートではなく、しっかりとロケット型の筒型になっているのだ! これはチタン製の針に回転レーザー加工による3D構造でホワイトのニスを色付けして完成するという。

さらに鳥肌モノなのは、後方部のエンジン近くの文字。拡大率の高いルーペで、ようやく見える極小文字で「USA」と書かれている。この小ささたるや、是非とも実物でチェックして見て欲しい。オメガのレーザー加工技術が、業界トップレベルであることを実感できるだろう。

お問い合わせ/オメガ公式サイト

文・構成/市塚忠義