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2024.01.25
原宿Seiko Seedで「専用すぎる腕時計展」を開催
セイコーがついにリミッターを解除した!?
時計好きの方々にとって、セイコーの企業イメージは、どんな感じなのだろう? 「真面目」「ちゃんとしている」「誠実」。きっとこんなキーワードが続くかもしれない。ややもすると「お堅い」と言われがち(それがセイコーの良いところでもあるのだが…)だが、そんな風に思っている人がいるのなら、是非とも、このイベントに足を運んでみてほしい。きっと、セイコーの時計に対する考え方が、180度変わるはずだ。
現在、原宿駅すぐの「WITH HARAJUKU」にあるSeiko Seedで「専用すぎる腕時計展」が開催中だ。これはセイコーが2001年から2009年まで開催していた社内プロジェクトを、2022年に13年ぶりに復活させた「power design project」の一環。セイコーに在籍するデザイナーが、日々の業務とは異なるスタイルで時計の可能性を追求し、年ごとのテーマに沿った時計を作るというもの。
市販化が目的ではないので、デザインの自由度は無限大。完成した腕時計は、確かにどれもがぶっ飛んでいる。今年のテーマは「専用すぎる腕時計」。全部で7つのユニークな腕時計が展示されている。詳細はイベントでのお楽しみということで、全貌は明らかにはしないが、その7つの腕時計について、ちょっとだけお伝えしよう。
1つ目は「かくれんぼ専用腕時計」。誰もが一度は遊んだ経験のある、かくれんぼ。そんな懐かしい子供の記憶を頼りに、セイコーが本気で考えた腕時計は、なんと「日本かくれんぼ協会」公認。鬼役がつけるための腕時計だが、こんな腕時計をつけられるのなら、敬遠されがちな鬼役だって進んでやってみたい。
2つ目は「パタンナー専用腕時計」。裁縫するときの必需品「針山」をモチーフとした腕時計は、主にパタンナーの腕時計として、ピンや針を思い切って「ぶっ刺せる」のが特徴だ。
3つ目は「すき焼き専用腕時計」。こちらも、すき焼きの老舗「人形町今半」とがっぷり四つで考えたコラボレーションウォッチ。牛脂、スープ、しらたき、肉などを入れるタイミングを、極めて正確に伝えることができる腕時計で、ケース形状は「鉄鍋」、ストラップは「お肉」仕様になっている。
4つ目は、「パンダ好き専用腕時計」。有名なパンダジャーナリストの意見を取り入れ完成した腕時計は「パンダっぽい」なんてものではなく、「パンダそのもの」。よくクロノグラフで「パンダダイヤル」と言われるデザインがあるが、本当のパンダダイヤルとは、まさにこのこと。プッシュボタンは耳、垂れ目具合もリアルに再現されており、時分針は笹形という、完璧なるパンダワールドを展開している。
5つ目は、「マスキングテープ好き専用腕時計」。こちらのケースは小ぶりに作られており、自分の好きなマスキングテープをケース外側にセットすることで、腕時計が完成形に。いつなんどきでも、気になったらすぐに「マスキング」が可能だ。ケース内側にはマスキングテープを貼るスペースも確保されており、自分らしい一本を作ることもできる。
6つ目は、「晴れ男専用腕時計」。人類と、時間の原点である「日時計」を腕時計で表現している。グランドセイコーの超複雑時計「kodo」を作り上げた名コンビ、デザイナーの石原氏と、時計技能者の川内谷氏が製作を担当しているという点だけでも興味津々だが、ムーブメントが「入っていない」というのが、なんとも面白い。
7つ目は、「両利き専用腕時計」。こちらは、腕時計を「右腕」「左腕」、どちらの腕につけても時刻を把握することができ、仕事や環境によって「右脳」と「左脳」を使い分けることができるという。ダイヤルが山型パターンになっていて、両サイドを白と黒に塗り分けることで、左手につければ「白ダイヤル」、右手につければ「黒ダイヤル」に変身する。
いずれの時計も買うことはできないが、そのまますぐ使えるほどの完成度の高さを持っおり、例え「遊び」であっても、妥協なく本気で腕時計を作るというセイコー時計の哲学が、存分に味わえるだろう。
イベント詳細
展示会:「power design project2024 専用すぎる腕時計展」
会期:2024年1月19日(金)〜3月31日(日)
時間:11:00〜20:00 ※入場は19:45分まで 会期中無休
会場:Seiko Seed 東京都渋谷区神宮前1-14-30 WITH HARAJUKU 1F
入場料:無料
お問い合わせ/セイコー公式サイト
文・構成/市塚忠義