2024.02.06

ピアジェ創業150年を祝う、伝説の「ピアジェ ポロ 79」が進化!

上品なゴールドモデルとは、まさにこのこと

「ピアジェ ポロ 79」。PGG0A49150。自動巻き。径38㎜。18KYGケース&ブレスレット。予価1060万円。9月発売予定。

ピアジェ、と聞いて真っ先に「ハイジュエラー」と連想する人は、大変申し訳ない話ではあるが、ピアジェというメゾンのことを、まだ誤解している。確かに世界のセレブリティを魅了するハイジュエラーであることは間違いないが、その歴史は「ウォッチメーカー」として始まっており、現在もジュネーブにモダンなファクトリーを構える一方で、雪深いエリアとして知られるラ・コート・オ・フェには、創業から続く時計ファクトリーがある。

特に薄型の名手として知られる同社のムーブメントは、多方面で活躍。その恩恵を受けている時計ブランドは、思いのほか多い。近年では、アルティプラノから目を疑うような超薄型のコンセプトモデルを誕生させ、時計ファンの心を鷲掴みにした。こうした革新的な時計を開発できるのは、誕生以来、「ウォッチメーカー」として技術を磨き上げ、コツコツと積み上げてきたからに他ならないのだ。

1979年ピアジェ ポロ発表当時の広告。

そんなピアジェを代表するスポーツウォッチが、1979年に誕生した「ピアジェ ポロ」である。スポーティでありながらもエレガントさも兼ね備えた腕時計は、今で言う「ラグスポ」の先駆。そのデザイン性の高さには、同社のセンスの高さが窺える。今年2024年はピアジェにとって、創業150年という節目の年。4月のW&Wを間近に、ピアジェは「ピアジェ ポロ」の特別なモデルを1本、解禁した。

それがご覧の「ピアジェ ポロ 79」である。この腕時計、見るだけでドキドキしてしまうのは、私だけだろうか。「79」という数字が物語るように、1979年にオリジナルが存在する伝説のポロが蘇ったわけだ。1970年代の時計業界といえば、スポーツウォッチの需要が高まり、各社が独自性のあるスポーツモデルを模索していた時代。そして発表された時計の多くは、SS(ステンレススティール)であったが、1979年に誕生したポロに、ピアジェはあえてゴールドを選んだ。

男性でも女性でもつけられる、ケース径38㎜というサイズ感も絶妙。

そこはやはり「ゴールドの魔術師」として知られる、“ハイジュエラー”ピアジェとしての矜持が、許さなかったのだろう。ゴールドケースを纏ったスポーツウォッチは、これまでの時計にはない、「エレガントさ」を見事に表現していた。ケース、ブレスレット、ダイヤルなど、時計を構成するあらゆるパーツが境目なくつながっているようなシームレスなデザイン。まるで金の塊の中から取り出したかのような力強さがあると同時に、極めて薄く仕上げられており、着けた時には腕に吸い付くようなフィット感を実現していた。

今回発表された進化版でも、そのディテールは見事に再現されている(むしろパワーアップされている!)。ゴドロン装飾のダイヤルには、オリジナルより繊細な60パーツの分インデックスが刻まれ、ブレスレットのテーパードの角度も、エンドピースに向かってより強くなっている。つまり、オリジナルよりも正確な時刻表示と、高い装着性能を実現している。

また、オリジナルの1979年ポロには、ピアジェの傑作と言われる薄型クオーツキャリバー「7P」が搭載されていたが、進化版では、薄型キャリバーの系譜(7P→8P→9P→12P)の最新版となるマイクロローター搭載の自動巻キャリバー「1200P1」が搭載され、厚さ2.35㎜におさめた精密なメカニズムの動きを、シースルーバックから楽しむことが可能だ。

「エレガントなスポーツウォッチが数あれど、スポーティなエレガントウォッチはピアジェのポロだけ」と、創業家4代目イブ・ピアジェが語るように、ウォッチメーカーかつジュエラーという2つのクラフツマンシップを、高い次元で融合させることができるピアジェの時計には、他の時計メゾンがどんなに努力しても手に入れることができない「優雅さ」が宿っている。

お問い合わせ:ピアジェ公式サイト

文・構成/市塚忠義