2024.03.15

カルティエ「タンク フランセーズ」に日本限定モデル

かつてないモノクロームなダイアルデザイン

カルティエの「タンク」といえば、時計好きなら誰もが憧れる角形時計の傑作。エレガントで上品でありながらも、どこか力強さを感じるのは、初代「タンク」のモチーフとなったのが「戦車=タンク」だからだ。

考案したのは、3代目当主のルイ・カルティエ。1917年、角形時計のケース両サイドを伸ばしてラグにするという画期的なアイデアを思いつき、戦車を真上から見たときのフォルムを腕時計で表現した。ちなみに最初の草案は、たった4本の直線で描かれていたという。

新たに発表された「タンク フランセーズ」の日本限定モデル。©️Cartier

「タンク」が生まれた1917年といえば、デコラティブなアール・ヌーヴォーの全盛期。ルイ・カルティエは、それとは真逆のシンプルで幾何学的なアプローチで、アール・デコをいち早く取り入れ、腕時計の新しい時代を切り拓いたのである。

カルティエの傑作「タンク」は、その後さまざまな派生モデルを生み出していくが、その「タンク」に初めて専用のメタルブレスレットを装着したのが、1996年にデビューした「タンク フランセーズ」である。そのタイムレスなフレンチスタイルを感度の高いファッション関係者がこぞって愛用したことで、一大ブームに。

昨年2023年には、「タンク フランセーズ」初のフルモデルチェンジを敢行。展開する3サイズすべてが一回りサイズアップしたほか、ケースとブレスレットがよりシームレスに繋がるデザインとなり、ダイアルの仕上げやインデックスも変更された。

今回紹介するのは、その「タンク フランセーズ」の日本限定モデル。日本に最初のブティックを開いてから50年という節目を、特別な「タンク フランセーズ」で祝うことになった。特徴的なオパラインカラーのダイアル、ロジウム加工された時分針、リューズにセットされたムーンストーンなど、時計全体をグレートーンで統一。かつてないモダンな「タンク フランセーズ」が誕生した。

「タンク フランセーズ」。クオーツ。ケースサイズ32×27㎜。SSケース&ブレスレット。日本限定。72万6000円。©️Cartier

一枚のエンボス紙のように見えるモノクロームなダイアルは、日本芸術の精神にある“簡素を尊ぶ”文化を意識してデザインされたという。シルバーの個性的なインデックスは、四角いフォルムに溶け込むように描かれ、「タンク フランセーズ」を特徴づけるローマンインデックスが、その中で見事に調和している。

時代に流されることのない、いつまでも永く愛用できる角形時計の筆頭。カルティエの「タンク フランセーズ」を生涯のパートナーに迎え入れるのであれば、さらに特別感を味わえるこの限定モデルは、おすすめしたい1本である。

お問い合わせ:カルティエ公式サイト

文・構成/市塚忠義