2024.04.26

Watches & Wonders Geneva 2024 速報! Part.4

4月9日からスイス・ジュネーブ空港近くのパレクスポで開催された「Watches & Wonders Geneva 2024」。今年はようやく、時計Begin編集部も取材に行ってまいりました! 主に会場内でお披露目となった約40ブランドの新作を、数回に分けてお届けします。

Hermès エルメスの2024新作

《アルソー デュック・アトレ》。手巻き。径43㎜。チタンケース。レザーストラップ。世界限定24本。予価6288万7000円。

最大の注目は、なんと言っても、この《アルソー》。ダイアル中央部にレイアウトされたトゥールビヨンは3軸で、それぞれの1回転の速度は外側から300秒、60秒、25秒。「H」型のキャリッジが、ダイナミックに回転する。複雑機構は、それだけではない。なんとミニッツリピーターも搭載している超大作である。エルメスらしい馬をモチーフとしたハンマーが、ダイアル外周のU字型ゴングを叩く様は、圧巻だ。ちなみに時刻表示は、アワーディスク上の2つのブルーの爪が回転して表示し、細い方がアワー、スケルトンの太い方がミニッツとなる。毎時3万6000振動というハイビートで、パワーリザーブは約48時間。ミニッツリピーターの美しい音色に加え、ビートを刻む大きな音も時計ファンを楽しませる。

《エルメス カット》。自動巻き。径36㎜。SSケース&ブレスレット。10気圧防水。102万4100円。

《エルメス カット》と名付けられた完全なる新コレクションは、その名の通り、ケースやブレスレットの断面が特徴的。ダイアルこそ真円だが、ケースは両サイドを鋭く切り落としたかのようなクッション型で、その美しい断面を遮らないようにリューズも1時30分の位置に取り付けられている。ブレスレットは、サテン仕上げのH型とポリッシュ仕上げのスクエア型のコンビネーション。このブレスレットを横から見ると、コマのひとつひとつが楕円形になっている点もユニークだ。ケースの直径は36㎜。基本的にはレディスウォッチとなるが、男性でも違和感のないサイズ感である。

お問い合わせ:エルメス公式サイト

《エルメス カット》

《アルソー デュック・アトレ》

 

IWC アイ・ダブリュー・シーの2024新作

「ポルトギーゼ・エターナル・カレンダー」。自動巻き。径44.4㎜。プラチナケース。アリゲーターストラップ。5気圧防水。価格は要問い合わせ。

毎年、ひとつのコレクションにフォーカスして新作を発表するIWC。今年選ばれたのは、ポルトギーゼ・コレクションだ。その筆頭モデルがこれ。同社初のエターナル・カレンダー搭載モデルだ。エターナルカレンダーとは、グレゴリオ暦の閏年にも対応した世紀永久カレンダー。4世紀間で3回(2100年、2200年、2300年)だけ、自動的に閏年をスキップする400年歯車を搭載している。つまりこの400年歯車が動くのは400年に1回。さらに12時位置のムーンフェイズ表示に1日の誤差が生じるのは、4500万年後。なんとも壮大なスケールのポルトギーゼなのである。

「ポルトギーゼ・クロノグラフ」。自動巻き。径41㎜。18KWGケース。カーフスキンストラップ。3気圧防水。281万6000円。

人気定番の「ポルトギーゼ・クロノグラフ」には、新たに3つのダイヤルカラーが誕生した。18KWGケースに組み合わされるのは、ホライゾンブルーと名付けられたダイアル。明るいシャイニーなブルーで、高いところから太陽の光が降り注ぐ、午後の早い時間帯の空をイメージしているという。サントーニ社製のカーフストラップもブルー(グラディエントライトブルー)に揃えるなど、質感の統一こだわりの見られる1本。

お問い合わせ:IWC公式サイト

 

Vacheron Constantin ヴァシュロン・コンスタンタンの2024新作

「オーヴァーシーズ・トゥールビヨン」。自動巻き。径42.5㎜。チタン製ケース&ブレスレット(ブルーのラバーストラップとカーフスキンのストラップが付属)。5気圧防水。価格は要問い合わせ。

ヴァシュロン・コンスタンタンの人気コレクション、オーヴァーシーズの新作は、チタン製のケースとブレスレットに身を包んだトゥールビヨン。コレクションを象徴するブルーダイヤル6時位置には、マルタ十字を模したキャリッジが鎮座する。搭載する自社製自動巻きキャリバー2160は、ペリフェラル・ローターを採用し、厚み5.65㎜という薄型。ケース自体の厚さも10.39㎜に抑えられており、スポーティな外観はそのままに、さらなる軽量化を実現した。

「オーヴァーシーズ・デュアルタイム」。自動巻き。径41㎜。18KPGケース&ブレスレット(グリーンのラバーストラップとグカーフスキンのストラップが付属)。15気圧防水。予価1082万4000円。

同じく「オーヴァーシーズ」コレクションに初のグリーンダイヤルが登場。ピンクゴールドケースに組み合わされた深みのあるグリーンダイアルはサンバースト仕上げが施され、その外周のフランジ部分はベルベット仕上げ。またミニッツトラックは色のトーンを変えて、正確な時間の読み取りに配慮している。写真のデュアルタイムモデルの他に、同じグリーンダイアルの3針(41㎜径とジェムセッティングの35㎜径)とクロノグラフもラインナップする。

お問い合わせ:ヴァシュロン・コンスタンタン公式サイト

 

Ressence レッセンスの新作

「Type 1 Round M」。自動巻き。径42.7㎜。チタンケース。ラバーストラップ。277万2000円。

ベルギーの時計ブランド「レッセンス」の新作(2023年12月発売)は、ラウンド型の「Type 1 Round」の新色。ライトグレーのダイアルをベースに、グリーン、ブルー、イエロー、レッドのインデックスリングが鮮やかに彩る。ケースの端ギリギリまでドーム状に広がるダイアルは、ダイアル自体が回転しながら時刻を表示する(グリーンが時、ブルーが分、イエローが秒、レッドが曜日)。なお、この時計にリューズはなく、ケースバック全体を回して時刻調整や巻き上げを行う。

お問い合わせ:レッセンス公式サイト

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取材・文/市塚忠義