Watches & Wonders Geneva 2024 速報！　Part.7

４月９日からスイス・ジュネーブ空港近くのパレクスポで開催された「Watches & Wonders Geneva 2024」。今年はようやく、時計Begin編集部も取材に行ってまいりました！　主に会場内でお披露目となった約40ブランドの新作を、数回に分けてお届けします。

H.MOSER & CIE. 　H.モーザーの2024新作

「パイオニア・センターセコンド コンセプト シトラスグリーン」。自動巻き。径42.8㎜。SSケース。ラバーストラップ。12気圧防水。予価259万6000円。

周りの時計ファンの間で、カブることはまずないであろうH.モーザーの新作。目の覚めるようなライムグリーンのダイアルは、このブランドが誰にも屈しないことの表れだという。当然、ダイアルにはブランドのロゴも、インデックスも、なし。あるのはスーパールミノヴァ®️が塗布された時分針と秒針のみ。この個性的なダイアルを邪魔するものは全て削ぎ落とされ、ダイアルの美しさのみが純粋に際立つ。

「ストリームライナー・トゥールビヨン スケルトン ダブルヘアスプリング」。自動巻き。径40㎜。SSケース＆ブレスレット。12気圧防水。予価1413万5000円。

発表してはすぐ完売してしまう状態が続いているストリームライナーから、また魅力的な新作が登場。2022年にパイオニアで発表したスケルトントゥールビヨンのスピリットを、ストリームライナーにも踏襲。ダイアルの６時位置には無重力で浮かんでいるかのようなミニッツ フライング トゥールビヨンが鎮座している。その中心部には、同メゾンの代名詞でもあるダブルヘアスプリングが搭載され、ひげゼンマイの重心の動きを補正。高い精度と等時性の向上に貢献している。

お問い合わせ:H.モーザー公式サイト

GRAND SEIKO　グランドセイコーの2024新作

「Evolution 9 Collection 手巻メカニカルハイビート36000 80 Hours モデル」。手巻き。径38.6㎜。ブリリアントハードチタンケース。クロコダイルストラップ。３気圧防水。145万2000円。

グランドセイコーから、完全なる新キャリバーを搭載した新作が登場。搭載されているムーブメントは、久々の登場となる「手巻き」。新キャリバー「９S A４」は、毎秒10振動というハイビートで、80時間のパワーリザーブを実現している。グランドセイコーがこのモデルの開発で重視したのが、腕時計との対話だという。ゼンマイを巻いた時、手先に感じるカチカチという感触に時計との一体感を感じることができる。是非とも、香箱の回転が確認できるムーブメント側を見つめながら、リューズを巻いて欲しい。

搭載される新キャリバーの「9SA4」。ダイアルではなく、裏のムーブメント側にパワーリザーブ計があるのもポイント。自動巻きの「９S A５」をベースとしつつも、約40％の構成パーツを新設計している。

「Sport Collection キャリバー９R 20周年記念限定モデル」。自動巻きスプリングドライブ。径44.5㎜。ブライトチタンケース＆ブレスレット。20気圧防水。世界限定700本。183万7000円。

ゼンマイを利用しつつも、クオーツ式の水晶によって振動を制御する同社独自のメカニズム、スプリングドライブ。そのGS専用ムーブメント誕生20周年を記念する限定モデルが発表された。搭載されるキャリバー「9R96」は、既存の「9R86」をさらに高精度化させたムーブメント。組み合わされるダイアルも特別仕様で「光学多層コーティング」という新技術（実際はその色に着色しているのではなく、光の波長によってダイアル色を表現する技術）の導入により、日本の繊細な時のうつろいを表現。スプリングドライブの製造地がある信州穂高連峰の鮮やかな朝焼けをダイアルに閉じ込めた。

お問い合わせ:グランドセイコー公式サイト

RAYMOND WEIL レイモンド・ウェイルの2024新作

「ミレジム オートマティック スモールセコンド 39.5㎜」。自動巻き。径39.5㎜。SSケース＆ブレスレット。36万3000円。

2023年のGPHGで「チャレンジ賞」を受賞したレイモンド・ウェイルのミレジムがファミリーを拡大。こちらの新作にはブレスレットが装着され、ダイアルにはミニッツトラックやインデックスのサークルで色のトーンを変えたブリティッシュレーシンググリーンが採用されている。ボックス型のサファイアクリスタル風防と相まって、程よいビンテージが感じられる１本に仕上がっている。

「ミレジム オートマティック ムーンフェイズ 39.5㎜」。自動巻き。径39.5㎜。SSケース（ローズゴールドPVD）。カーフレザーストラップ。39万6000円。

ミレジムに初めてのムーンフェイズモデルが登場。落ち着きのあるローズゴールドカラーのケースに、上品なミッドナイトブルーのダイアルが組み合わされ、６時位置にはロマンティックなムーンフェイズをセット。レザーストラップに施されたW型ステッチなど、ヴィンテージディテールへのこだわりも見逃せない。40㎜を切るケースのサイズ感も完璧だ。

お問い合わせ:レイモンド・ウェイル公式サイト

GERARD CHARLES ジェラルド・チャールズの2024新作

「マスターリンク」。自動巻き。ケース38×38㎜。SSケース＆ブレスレット。428万2300円。

ジェラルド・チャールズ初の、一体型ブレスレットモデルが登場。ジェラルド・チャールズ・ジェンタ自身がデザインしたアイコニックなマエストロ・ケースに、アシンメトリーなブレスレットが組み合わされた。搭載するマイクロローター式の自動巻きムーブメントは非常に薄型（厚さ2.7㎜）で、ケース自体の厚さも7.9㎜に抑えられており、滑らかなブレスレットとともに、完璧なフィット感を実現している。

「マエストロ 2.0 Ultra-Thin GEM SET」。自動巻き。ケース39×41㎜。　SSケース。ラバーストラップ。443万1900円。

マエストロの個性的なケースフォルムを際立たせるように、ステップベゼルにエメラルドグリーンのツァボライトをセッティング。グリーンダイアルのサンバースト仕上げも見事で、小ぶりながらも、美しい輝きを放っている。搭載される自動巻きムーブメント、キャリバーRef.GCA3002は、非常に薄型で、中央のローターにはジェラルド・チャールズの「ハニカム」モチーフ、コリマソン、ソレイユ仕上げが施される。

お問い合わせ:ジェラルド・チャールズ公式サイト

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取材・文／市塚忠義