2024.05.17

Watches & Wonders Geneva 2024 速報! Part.9

4月9日からスイス・ジュネーブ空港近くのパレクスポで開催された「Watches & Wonders Geneva 2024」。今年はようやく、時計Begin編集部も取材に行ってまいりました! 主に会場内でお披露目となった約40ブランドの新作を、数回に分けてお届けします。

PATEK PHILIPPE パテック フィリップの2024新作

「ゴールデン・エリプス 5738/1」。自動巻き。横34.5×縦39.5㎜。18KRGケース&ブレスレット。951万円。

1970年代に活躍したエレガントな腕時計への、パテック フィリップらしいトリビュート。大型ケースを採用するゴールデン・エリプス5738に初めてのメタル・ブレスレット仕様が登場した。チェーン構造のブレスレットは363個のエレメントで構成され、その内300個以上が手作業でひとつずつ組み上げられていくという。無駄なものを削ぎ落としたシンプルなダイアルは、エボニーブラックのソレイユ仕上げ。リューズトップのオニキスとともに、艶やかな輝きを放つ。

「ワールドタイム 5350 コンプリケーション」。自動巻き。径40㎜。18KWGケース。デニム柄のカーフスキンストラップ。1213万円。

2023年に東京・新宿で開催され、世界中から多くの人が集まったパテック フィリップのウォッチアート・グランド・エキシビション(東京2023)。その時に、限定モデルのワールドタイムとして発表された5330が、レギュラーの現行モデルとして登場。このモデルは次世代のワールドタイム機構を搭載しており、12時位置で選択したタイムゾーンの時刻と完全に同期した日付を表示するという世界初の機構で特許を取得している。ダイアルのカラーとマッチさせたブルーグレーのデニム柄ストラップ(素材はカーフ)が、アクティブな印象。

お問い合わせ:パテック フィリップ公式サイト

 

BVLGARI ブルガリの2024新作

「オクト フィニッシモ スケッチ 限定モデル」。自動巻き。径40㎜。SSケース&ブレスレット。250万8000円。世界限定280本。

ダイアルに描かれているのは、実際にその裏側に搭載されているブルガリが誇る超薄型のマニュファクチュール・ムーブメント「キャリバーBVL138」のハンドスケッチ。サテン仕上げのマットなケースとブラスロジウム製ダイアルの質感が見事にマッチしている。プラチナ製のマイクロローターを備えるムーブメントは厚さ2.23㎜。ケースまで入れても厚さは6.4㎜と、ご覧のように吸い付くようなフィット感だ。

「オクト ローマ クロノグラフ スティール DLC」。自動巻き。径42㎜。SSケース(フルブラックDLC)。ラバーストラップ。152万9000円。

丸みを帯びながらも、滑らかな8角形を形成する「オクト ローマ」。その独自のフォルムをさらに引き立てる、オールブラックモデルが登場した。同メゾンが考えるブラックの持つ美しさを、最大限に表現したモデルといえよう。ケースはマット加工のDLCで、光を吸収。ダイアルにはクル・ド・パリ仕上げが施され、どの角度から見ても美しく見えるよう、光の反射を捉える。ダイアルの模様は、ストラップにも生かされ、見事な一体感が生まれている。

お問い合わせ:ブルガリ公式サイト

 

PANERAI パネライの2024新作

「サブマーシブル クアランタクアトロ ルナ・ロッサ Ti-Ceramitech™️」。PAM01543。自動巻き。径44㎜。 Ti-Ceramitech™️ケース。ラバーストラップ。233万2000円。

今年のパネライは、アメリカズ カップを記念する「ルナ・ロッサ」モデルが炸裂。この新作には、パネライが7年かけて開発した新素材が使われている。最先端のヨットレース環境からインスパイアされたという「Ti-Ceramitech™️」は、チタン合金の表面を電解プラズマ酸化処理によって美しいブルーのセラミック層に変化させることに成功。この「チタンセラミック化プロセス」は現在、特許申請中だ。従来のセラミックより10倍の強度があり、スティールより44%軽量化されている。

「サブマーシブル GMT ルナ・ロッサ チタニオ」。PAM01507。自動巻き。径42㎜。チタンケース。ラバーストラップ。172万2000円。

こちらもルナ・ロッサの新作。パネライが誇る本格ダイバーズモデルであるサブマーシブルとGMT機能が融合した、実用性の高いモデルといえよう。ケース素材はグレード5のチタンで軽量。逆回転防止ベゼルにはセラミックディスクをインサートしている。またパネライとしては珍しく、ダイアルのフリンジ部分にGMT用の24時表示インデックスが刻まれているが、これは2000年代初頭のモデルを規範にしている。防水性能は50気圧だが、実際はそれより25%高い圧力もパスしているという。

お問い合わせ:パネライ公式サイト

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取材・文/市塚忠義