2024.05.13

Watches & Wonders Geneva 2024 速報! Part.8

4月9日からスイス・ジュネーブ空港近くのパレクスポで開催された「Watches & Wonders Geneva 2024」。今年はようやく、時計Begin編集部も取材に行ってまいりました! 主に会場内でお披露目となった約40ブランドの新作を、数回に分けてお届けします。

EBERHARD エベラールの2024新作

「クロノグラフ 1887 オートマティック Ref.31082」。自動巻き。径41.5㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。147万5100円。

ブランドの創業年を冠した新しいクロノグラフは、エベラールのこれまでの歴代クロノグラフの系譜を反映したモデル。ダイアル中央に螺旋状のタキメータースケール、ダイアル外周にテレメータースケールを配置している。クロノグラフのスタート、ストップボタンは通常のクロノグラフ同様にケースの2時位置にセットされているが、リセットボタンがリューズと同軸上に置かれているのが特徴。

「クロノグラフ 1887 リミテッドエディション Ref.31081」。手巻き。径41.5㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。限定250本。175万1200円。

先に紹介しているモデルの、こちらは限定版。違いは、ブレゲ数字がバーインデックスになっていること。そして搭載するムーブメントが、レギュラーモデルが自動巻きなのに対し、こちらの限定モデルは、手巻きであること。これらの新ムーブメント、自動巻き(キャリバーEB380)と手巻き(キャリバーEB280)は、ともにセリタ社の最上位ブランドA M Tとの共同開発によるもの。フライバック機能を搭載したクロノグラフは、コラムホイールが鮮やかなブルーに染められている。

お問い合わせ:エベラール公式サイト

 

ROGER DUBUIS ロジェ・デュブイの2024新作

「オルビス イン マキナ」。手巻き。径45㎜。18K P Gケース。レザーストラップ。世界ブティック限定88本。3509万円。

283個のパーツで構成される手巻きキャリバーRD115は、ロジェ・デュブイが得意とするフライング・トゥールビヨン機構を、定番の7時位置ではなく、ド真ん中にセット。そのため時針と分針はディスク表示で、センターのフライングトゥールビヨンと共に回転する黒い針(先端はゴールドカラーの三角)が「秒」、その周りにあるサークルを回転するH型のインデックスが「分」、さらにその外側が「時」となる。それぞれのサークルは、微妙に高さを変えて設置されており、立体的な奥行き感が生まれている。

「エクスカリバー ドラゴン モノトゥールビヨン」。手巻き。径42㎜。18KPGケース。レザーストラップ。3102万円。世界ブティック限定28本。

早くからトゥールビヨンなどの複雑機構をスケルトン化させることにチャレンジしてきたロジェ・デュブイ。この最新作には、27個のピンクゴールドのパーツ(側面はブラックラッカー、表面はポリッシュ仕上げ)がムーブメントの間を泳ぐように設置され、今にも動き出しそうなドラゴンがデザインされている。使用したパーツに対し、25の異なる高さ、傾斜を採用しているというから驚きだ。またトゥールビヨン機構には、チタン素材やコバルトクロム合金を採用することで、これまでより重量を16%軽減。パワーリザーブが72時間に向上している。

お問い合わせ:ロジェ・デュブイ公式サイト

 

CHOPARD ショパールの2024新作

「L.U.C カリテ フルリエ」。自動巻き。径39㎜。ルーセントスティール™️ケース。カーフスキンストラップ。300万3000円。

カリテ フルリエとは、クロノメーター認定のムーブメント搭載を前提として、さらに独自の美的評価と、時計全体に過酷なテストを実施するクオリティ基準のこと。スイス製時計にのみ実施される非常に厳しい試験として知られる一方で、そのあまりの基準の高さから取得できるモデルがなかなか現れなかった。そんな中、ショパールから久々のカリテ フルリエモデルが登場。しかもケースには、80%以上のリサイクル率で製造されたルーセントスティール™️が採用されている。22Kゴールド製のマイクロローターを搭載したムーブメントは、3.3㎜の超薄型で、ケース自体の厚みも8.92㎜に抑えられている。

「アルパイン イーグル 41 XP TT」。自動巻き。径41㎜。チタンケース&ブレスレット。392万7000円。

現在、ショパールの新定番モデルとして確立しつつあるアルパイン イーグルの最新作がコレ。XPとは、EXTRA-PLAT(超薄型)を表し、 TTとは、TECH TITANIUMに由来する。搭載されるムーブメント、キャリバー「L.U.C 96.17-S」は、スケルトン用に繊細の透かし彫りが施されており、ダイヤル側からメカニズムの動きを楽しむことができる。ケース厚は8㎜という薄さで、さらにグレード5のチタン素材のため非常に軽く、フィット感は想像以上。工芸品のような美しさを持ちつつも、毎日使いたくなるタフさも兼ね備えている。

お問い合わせ:ショパール公式サイト

 

CHANEL シャネルの2024新作

「J12 クチュール」。自動巻き。径33㎜。高耐性ホワイトセラミック×SSケース&ブレスレット。予価113万3000円。

シャネルの遊び心にあふれる新作。腕時計の随所に、クチュールメイキングには欠かせないアイテムの数々が。時分針はハサミ、秒針は裁縫針、ベゼルはメジャー、ダイアルには型紙用紙が、なんともユニークにデザインされている。

「J12 ダイヤモンド トゥールビヨン キャリバー5」。手巻き。径38㎜。高耐性マットブラックセラミック×SSケース&ブレスレット。1782万円。

ダイアルの6時位置に大きく開口されたトゥールビヨン。その真ん中だけに、巨大なダイヤモンドをセットしたフライング・トゥールビヨンウォッチに、マットなブラックセラミックモデルが登場。光り輝くダイヤモンドが回転する様は、圧巻だ。自社製ムーブメントのキャリバー 5を搭載するフライング トゥールビヨンキャリッジの中央にある65面のファセットカットのソリテールダイヤモンドは、約0.18ctという存在感。

お問い合わせ:シャネル公式サイト

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取材・文/市塚忠義