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2024.05.27
タグ・ホイヤーの「モナコ」から変わり種の新作
チタンケース&スケルトンのブルーモナコ!
毎年、数々の新作が生まれる時計業界。スイスを中心とした高級時計の長い歴史の中で「角形ケース」で成功を収めた時計は、実はほとんどない。現在も現行コレクションをラインナップするものでいえば、ジャガー・ルクルトのレベルソ、カルティエのタンク、フランク ミュラーのロングアイランド……、本当に数えるほどしかないのである。クラシカルなイメージが強いが故、袖元のスタイリングは、ある程度限られてしまう。「人生最良の1本」ということになれば、角形時計は敬遠されがちだ。
しかし、例外がある。それがタグ・ホイヤーのモナコだ。1969年、ジャック・ホイヤーが生み出した腕時計は、角形時計の殿堂。角形時計で初の自動巻きクロノグラフであり、巻く必要のないリューズはケースの左側、また角形のクロノグラフにして防水性を備えていたことも画期的だった。そして何より、アバンギャルドなスクエアケース。
ここまで角形時計ということで話を進めてきたが、その場合の多くは長方形のレクタンギュラーであり、正方形のスクエアケースは稀。モナコのスクエアケースにはスポーティな一面もあり、例えば「Tシャツ1枚にモナコ」というスタイリングも可能にしてしまう、角形時計唯一の万能選手なのである。
今年のウォッチズ&ワンダーズにおいても、新作の主役はモナコだった。初のスプリットセコンド搭載モナコが発表され、会場はお祭り騒ぎに。数少ないサンプルを取り合って、常に人だかりができていたほど。ただしこの時計、基本的には受注生産となり価格も1000万円オーバー。誰もが狙える時計ではない。ラトラパンテとはいかないまでも、人とはちょっと違ったスペシャルなモナコが欲しい……、そんな人にこの新作をお届けしたい!
それがスケルトンダイアルのブルーモナコだ。ダイアルやストラップのダークブルーは、モナコで繰り広げられる世界最高峰レースの地である、地中海の海岸をイメージしているという。クロノグラフの積算系や秒針には、イエローを採用。疾走するレーシングカーの躍動感を、ダイヤルで表現している。ちなみに時計を裏返すと現れるムーブメントの、コラムホイールや回転ローターの刻印文字もイエローに。可動する回転パーツに、効果的にイエローを取り入れた。
そしてこのモナコがスペシャルなのは、ケースの素材。ブラックカラーからは想像できないいが、実はブラックDLCを施したチタンケースなのである。モナコのチタンケースということ自体がレア。これまでリリースしたチタンケースのモナコの多くは、スペシャル・エディションなのである。軽量な伝説の角形時計を所有する満足感は、極めて高いだろう。
搭載するムーブメントはタグ・ホイヤーが誇るパワーリザーブ約80時間の自動巻きムーブメント、キャリバーTH20-00。実用面においても、抜かりのないクロノグラフである。
お問い合わせ:タグ・ホイヤー公式サイト
文・構成/市塚忠義