2024.09.09

グラスヒュッテ・オリジナルの2つの限定クロノグラフ

1970年代の、あの熱量を再び。

「セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイト」。左「スイミングプール/1-37-02-16-02-70」。右「ウォーターメロン/1-37-02-17-02-63」。自動巻き。40×40㎜。10気圧防水。左ブレスレット231万円。右ラバーストラップ214万5000円。

ドイツの伝統的な時計技術が継承されている聖地、ザクゼン州グラスヒュッテ。この小さな街には世界を代表する高級時計ブランドが名を連ねている。その中でも特に高い自社生産率を誇るブランドとして知られている名門が、グラスヒュッテ・オリジナルである。

搭載するムーブメントの全部品のうち、なんと最大95%を自社で生産している。昨今、自社製ムーブメントやマニュファクチュールブランドを強調するブランドは多いが、実際には他社設計だったりパーツは外部調達だったりと、純粋なマニュファクチュールブランドは思いのほか少ない。

グラスヒュッテ・オリジナルの「最大95%」という内製率は、時計業界におけるトップクラス。同社には他者を頼ることなく「作りたいものを作る」環境が整っている。つまり他にはない、ちょっと個性的で大胆なモデルを作ることも可能なのである。

ここに紹介する「セブンティーズ・クロノグラフ・パノラマデイト」は、まさにそんな腕時計。斬新なカラーリングのクロノグラフと、独自の角形クッションケースが見事に融合した最新の限定モデルだ。

2つの新作クロノグラフ最大の特徴は、ダイアルのカラーだ。ターコイズの色合いが美しい「スイミングプール」、そして情熱に満ち溢れたコーラルレッドの「ウォーターメロン」。ユニークなネーミングにも同社のセンスを感じるが、何より1970年代のソウルフルなエネルギーを全身で感じることができる。

コレクション名にもなっている1970年代は、機械式時計にとっては激動の時代。クオーツ時計の誕生で主導権を奪われそうになったメカニカル勢は、当時流行していたベルボトムやカラフルなファッションなどと合わせるかのように、クラシカル一辺倒から奇抜なデザインを取り入れるようになった。

1970年代、急速に世界中に普及していったカラーテレビ。そのTVスクリーンを思わせる角の丸いスクエアケースに、2つのパッションカラーが絶妙にマッチしているではないか! 黒く縁取りしたカウンターや表示窓が、この鮮やかな色味をさらに引き締めている。

ちなみにこのクロノグラフは実用性が極めて高く、3時位置のカウンターが30分積算計、12時位置の小窓が12時間積算計、9時位置のカウンターがスモールセコンドとなっており、スモールセコンドの中では、ブラックとホワイトの割合でパワーリザーブの残量も表示している。

さらに6時位置には、同社を代表する機能のひとつ「パノラマデイト」が。1の位と10の位を2つの別々のディスクで表示する大きな日付表示で、視認性を高めている。搭載する自社製キャリバー37-02のパワーリザーブは約70時間。フライバック機能を装備したコラムホイール式のクロノグラフだ。

こうした多機能に加え、3/4プレートやブルースティールネジ、グラスヒュッテリブ仕上げといった伝統的なディテールも、もちろん楽しむことができる。限定数は「スイミングプール」「ウォーターメロン」各色100本。グラスヒュッテ・オリジナル ブティック及び全国の正規販売店で発売中だ。

お問い合わせ:グラスヒュッテ・オリジナル ブティック銀座

TEL:03-6254-7266

文・構成/市塚忠義