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2024.09.19
伝説の映画時計「マーフウォッチ」に待望の新バリエ
なんでも聞いてくれるハミルトンの懐とは!?
2014年に公開したクリストファー・ノーラン監督によるSF映画の超大作『インターステラー』。バットマン『ダークナイト』(2008年)や『ダンケルク』(2017年)、最近なら『オッペンハイマー』(2023年)など、とにかくスケールの大きな映画を手がけることで有名な巨匠だが、映画で登場する「小物」に対しても、非常にこだわりが強いことで知られている。
『インターステラー』の中で、父と娘をつなぐアイテムとして、とても重要な役割を果たしているのが腕時計。通称「マーフウォッチ」だ。この腕時計を手がけたのが、ハミルトンである。当初は劇中だけの予定だったが、ファンから商品化を望む声があまりにも多く、ハミルトンは2019年に商品化。映画で使用したタイムピースを忠実に再現して「カーキ フィールド マーフ 42㎜」として発売した。
秒針には、かすかに見えるモールス信号。映画を見た人であれば分かる「Eureka(ギリシャ語で“わかった”の意味)」という印字がサプライズで隠されており、発売するとすぐさま話題に。大成功を収め多くの人に届けられると、今度は「もうちょっと小さいのは、出ないの?」との声が。すると2022年にひと回り小さなケース径38㎜の「カーキ フィールド マーフ 38㎜」を発表し、再びファンのニーズに応えた。
今回のニュースは、この「カーキ フィールド マーフ 38㎜」に新しいバリエーションが加わったこと。爽やかさが王道の「ホワイトダイアル」と、従来からあるブラックダイアルには「ブレスレット仕様」が初めて組み合わされた。今作に関して、“市場の声に応えた”という正式なアナウンスはなかったが、どちらの仕様もたったいまの時計業界の本筋。またしてもファンのリクエストに真摯に応えた新作なのだと想像できるだろう。
直径38㎜というラウンドケースに、シンプルなホワイトダイアルとブラックダイアル。ベージュカラーのインデッックスとユニークなコブラ針で程よくレトロ感を強調した2本の新作は、時代に流されることのない王道にして、他にはない個性もアピールすることができる。
製造業であればなんでもそうだが、ファンと作り手の距離は、できるだけ近い方が良い。メーカー側に聞く耳があれば製品の完成度は確実に上がっていくし、物申すユーザーが多いことは、そのブランドに本気で惚れ込んでいる証拠でもある。どちらかが一方的では、長続きはしない。ハミルトンは、ファンを大事にしながら130 年以上の歴史を刻んできた名門なのである。
問い合わせ/ハミルトン公式サイト
文・構成/市塚忠義