2024.11.14

【タキメーターの正しい使い方】基本機能おさらい解説vol.9「動画で魅せる時計図鑑」

平均時速が計測できる

【タキメーター(クロノグラフ編)】

タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ

文字盤外周の専用表示で平均時速を読み取る伝統的計算尺

クロノグラフに装備される計測インジケーターにはさまざまなタイプがあるが、そのうち伝統的にもっともメジャーなものが「タキメーター」である。タキメーターは計算尺の一種で、とくに平均時速の計測・表示に使用されることが多い。

例えば、車に乗ってレーシング場を走行している際に、1kmごとの通過表示板が立てられているとする。その1km間の通過時間を、クロノグラフ機能を使って測るというわけだ。そこでレーシングといえば“陸の王者”タグ・ホイヤー。今回はレーシングクロノの不朽の名作「タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ」を使って説明していきたい。

【タグ・ホイヤー カレラ クロノグラフ】伝説的な公道レース「カレラ・パナメリカーナ ・メヒコ」に着想を得て、1963年に誕生した名作レーシング時計の現行バージョン。シルバー文字盤にブラックの2カウンターを擁した“パンダ”ダイヤルを採用しつつ、ベゼルではなく文字盤外周にブラックの立体的なタキメーターインジケーターを備える。その形状に合わせてドーム型サファイアクリスタルが覆う「グラスボックス」が個性を引き立てる。自動巻き。径39mm。SSケース&ブレスレット。100m防水。93万5000円。

タキメーターは時計回りに、大抵“500〜400”から始まり、その数値がだんだん小さくなって12時位置の“60”で終わる。つまり計測時間がちょうど60秒だった場合、平均時速は「60km/h」ということになる。まず、最初の表示板を通過すると同時に2時位置のストップボタンを押し、クロノグラフ針をスタートさせる。そして、1km先の表示板を通過するときに同じボタンを押して針をストップ。その際、針が30秒で停止していれば「120km/h」、32秒なら「113km/h」と読み取れるのだ。

これと同じ原理により、工場のラインで1時間あたりの生産個数なども測定できることから「タキプロダクトメーター」とも呼ばれるタキメーター。例えば一つの作業に40秒かかるのであれば、タキメーターを確認すると90。一時間にできる作業は90回(または90個生産できる)となります。

1kmの通過を知るすべさえあれば、車以外にも電車や船舶といった乗り物にも活用できるので、ぜひ使ってみてほしい。

タキメーターの使い方

計測開始と同時に、ケースサイド2時位置のプッシュボタンを押す。文字盤センターのクロノグラフ針(60秒積算計)がスタートする。

1kmを通過した時点で、同じく2時位置のプッシュボタンを押して針がストップ。これでクロノグラフを使用した1kmあたりの平均時速の計測は完了に。

文字盤外周のインジケーターを見ると、先端が赤色のクロノグラフ針は32秒で停止。これをさらに外側のタキメーター表示に照らし合わせると、平均時速は「113km/h」となる。

計測の終了、または計測をやり直す場合は、ケースサイド4時位置のプッシュボタン押してリセット。センターのクロノグラフ針やインダイヤル内の積算針が“0”位置に戻る。

計測開始と同時に、ケースサイド2時位置のプッシュボタンを押す。文字盤センターのクロノグラフ針(60秒積算計)がスタートする。
1kmを通過した時点で、同じく2時位置のプッシュボタンを押して針がストップ。これでクロノグラフを使用した1kmあたりの平均時速の計測は完了に。
文字盤外周のインジケーターを見ると、先端が赤色のクロノグラフ針は32秒で停止。これをさらに外側のタキメーター表示に照らし合わせると、平均時速は「113km/h」となる。
計測の終了、または計測をやり直す場合は、ケースサイド4時位置のプッシュボタン押してリセット。センターのクロノグラフ針やインダイヤル内の積算針が“0”位置に戻る。

 

〈ブランド解説〉

1860年、エドワード・ホイヤーによりスイスのサンティミエで創業。創業時からクロノグラフを手がけてきた名門で、1916年に世界初の1/100秒計測が可能な「マイクログラフ」を開発。レーシング時計の名作「カレラ」のほか、世界初の自動巻きクロノグラフを搭載した「モナコ」など、現在も人気の画期的モデルを数多く輩出。2015年には自社製ムーブメント「ホイヤー 01」を発表した。

タグ・ホイヤー公式サイト

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写真・動画撮影/岸田克法
文/岡田隆奈
動画編集/中村重樹(時計Begin)