2024.12.13

エベルが久々に、キタァー!

「らしさ」全開の新作はブラックのスケルトン

「エベル スポーツ クラシック スケルトン ブラック リミテッドエディション 42㎜」。自動巻き。径42㎜。SSケース&ブレスレット(ブラックDLC)。5気圧防水。世界限定200本。85万8000円。

この時計を見て「なんとなくラグスポ風?」「ラグスポの進化版?」などというイメージを持った人は、ちょっと残念。エベルというブランドを正しく理解していないかもしれない。「風」でも「進化」でもなく、ラグスポはエベルの王道。昨今のラグスポ大ブームが沸き起こる前から、エベルは洗練されたスポーツウォッチで、時計業界を盛り上げてきた。

本題に入る前に、エベルの復習。創業は1911年、スイスのラ・ショー・ド・フォンにて、創業者はユージン・ブルム。社名はブルム夫妻の名前Eugen Blum et Levyの頭文字をつなげたてつけられたものであり、じつに夫婦愛が感じられるブランドなのだ。

「美しさと機能を兼ね備えた時計は、時代の変化に色褪せない」を哲学とし、1925年パリの装飾芸術博覧会にてグランプリを受賞、1964年にはローザンヌでのスイス博覧会でグランプリを受賞している。

3代目のピエール・アラン・ブルムの時代には「時の建築家」をスローガンとし、1989年にはエベルの大傑作「1911」のベースとなる「EBEL Voyager」が誕生した。まるで金属の塊から削り出したような優美で堅牢なケースデザインで一世を風靡。クロノグラフ搭載モデルなど数々の派生モデルを生み出していった。

ここに紹介する最新作「エベル スポーツ クラシック スケルトン ブラック リミテッドエディション 42㎜」も、これまでのエベルの哲学を色濃く受け継いでいる。ベゼルとケース本体のちょうど「中間」で存在感を発揮する5つのビス、ケース一体型のブレスレット、直線ではなく曲面を生かしたケースデザイン等々。

こうしたエベルらしさ全開のデザインを、さらに特別にしているのが、ケースの色と、ダイアルの仕様だ。ステンレススティールのケースとブレスレットにはブラックDLCを施し、全身ブラックで都会的に。一方ダイアルはスケルトン仕様とし、ブラック・ルテニウムのセリタ製自動巻きムーブメント「SW400-1」のメカニズムを堪能することが可能だ。

「エベル スポーツ クラシック スケルトン ステンレススティール リミテッドエディション 42㎜」。自動巻き。径42㎜。SSケース&ブレスレット。5気圧防水。世界限定200本。80万3000円。

なお、このモデルには、ロジウムメッキの針とインデックスを備えたステンレススティール製バージョンも同時に発表。いずれも世界限定200本という希少なモデルは、ダイアルの12時位置でエベルロゴの「E」が向かい合って顔を寄せ合い、創業夫妻の愛を伝えている。

問い合わせ/エベル公式サイト

文・構成/市塚忠義