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2024.12.17
クロノスイスの真骨頂「水平レギュレーター」に新作
ストライク・ツーに2つの新たなバリエーション
ユニークかつマニアックな時計でファンを魅了したドイツ人時計師、ゲルト・R・ラング氏。昨年2023年にこの世を去った彼が、1983年にミュンヘンで創業した時計ブランド、それがクロノスイスだ。2012年からは、オリバー・エブシュテイン氏がCEOに。拠点をスイスのルツェルンに移し、創業以来の時計作りの伝統を受け継いでいる。
クロノスイスといえば、有名なのが「レギュレーター」機構を搭載する時計だ。その特徴は時針、分針、秒針などが同軸ではなく独立するスタイル。懐中時計の時代、時刻調整の際に時・分・秒を間違わないように設計された機構だ。それゆえに、「時計師のための時計」と言われる。
1990年代にクロノスイスが発表した代表作「Tora(ギリシャ語で“今”)」を継承し、2024年の4月に誕生したのが「ストライク・ツー」シリーズだ。その時計のキーワードは「水平」。文字盤上には3本の針がそれぞれ独立してセットされているが、その全てが一直線上に並ぶ「水平レギュレーター」を採用している。
また3時位置の「時」を示すインダイアルは、2本のブリッジによって構成されており、ここでもそのツインブリッジは「水平」に取り付けられている。インダイアル内側の文字盤はスケルトン仕様となっており、そこからオープンギアが見えるのもメカ好きには堪らない仕掛けだ。
今回紹介する新作は、その「ストライク・ツー」シリーズに加わった2つのバリエーション。ひとつめの「ストライク・ツー テラ」は、美しいブラウンダイアル。砂漠の砂丘や岩肌、広大な大地など自然の本質をイメージしているという。なんともリアルなダイアルの質感は、最新のレーザープリントで再現。その上にブラウンのPVDコーティングを施している。
もう1本は、緑豊かな丘陵や霧に包まれた湖をイメージした「ストライク・ツー ハイランド」。PVDコーティングより密着度が高いと言われるCVD(Chemical Vapor Deposition)コーティング技術(ガスの熱分解で化学反応を起こし、表面に薄膜を形成するコーティング技術)で、垂直サテン仕上げの神秘的なグリーンダイアルに仕上がっている。
オニオンスタイルのリューズ、そしてケースサイドのフルーテッド装飾リングといったクロノスイスを象徴するディテールは共通。また9時位置のスモールセコンドのインダイアルは、自社のアトリエのハンドギョーシェによるものだ。そのためクロノスイスの製造本数は年間1500本とかなり希少。こちらの2本の新作も、各100本世界限定となっている。
お問い合わせ:クロノスイス公式サイト
文・構成/市塚忠義