2024.12.24

ヴィアネイ・ハルター×ルイ・エラールの第2弾!

名作「アンティコア」の世界観が随所に

「レギュレーター ルイ・エラール × ヴィアネイ・ハルター II」。LE85246AA03.BVA172。自動巻き。径43㎜。SSケース。グレイン・カーフレザーストラップ。5気圧防水。世界限定178本。109万4500円。

ルイ・エラールのCEOであるマニュエル・エムシュは、心の底から時計が好きなのであろう。このところの新作、特に天才時計師とのコラボモデルでは、往年の時計好きの「ツボ」を、とにかく押しまくっている。

今回紹介するコラボのパートナーは、ヴィアネイ・ハルター。ルイ・エラールが彼と手を組むのは、これが2回目となる。ヴィアネイ・ハルターはフランス出身で、スイスを拠点に活躍してきた独立時計師。とにかく異才の持ち主で、彼が作る時計は一度見たら決して忘れることができないほど、強烈なインパクトがある。

左がヴィアネイ・ハルター、右がルイ・エラールCEOマニュエル・エムシュ。

ハルターの名が一躍有名になったのは、やはりハリー・ウィンストンのオーパスシリーズであろう。F.P.ジュルヌとの「オーパス 1」、アントワーヌ・プレジウソとの「オーパス 2」に続き、ハルターが手がけた2003年の「オーパス 3」の時刻表示はなんともユニーク。時計に針はなく、6つの小窓で時間と曜日を全てデジタル表示するという画期的なものだった。

ハルター作品の特徴は、なんともレトロフューチャーなスチームパンクデザインだ。自身の代表作である「アンディコア」は、まさにS F映画の世界を具現化したものだが、今回のルイ・エラールとのコラボ第2弾では、その「アンティコア」の世界観が、時計の随所に取り入れられている。

時刻表示は、時・分・秒をそれぞれ独立して表示するレギュレーター。インダイヤルに加え、リューズ位置もオフセットされているが、そのズラし方に、ハルターのセンスがうかがえる。仕上げも見事で、サブダイアルのリングのエッジはダイヤモンドカット仕上げによる光沢を放ち、分表示の外周リングには、ヴィアネイ・ハルターとルイ・エラールのダブルネームの刻印が施されている。

縦方向のサテン仕上げを持つベースダイアルはレトロなブロンズカラー。組み合わせた青焼きスチール針との相性も抜群だ。ベゼルには12個の5Nゴールドカラーのリベットが、2時位置にオフセットされたリーズには24 個のリベットがあしらわれている。

さらにシースルーのケースバックには、このモデルが限定であることを示す「Louis Erard x Vianney Halter Limited Edition 1 of 178」のエングレービングが。これまでヴィアネイ・ハルターの時計といえば、いくら時計好きであっても、なかなか手の届く代物ではなかったが、このコラボモデル第2弾は約100万円と、頑張れば夢が見れる価格帯。ルイ・エラールによって天才時計師の時計が身近な存在になることは、嬉しい限りだ。

お問い合わせ:ルイ・エラール公式サイト

文・構成/市塚忠義