2025.03.06

時間の流れを楽しみたい人に……「1本針」時計のススメ! マイスタージンガー

マイスタージンガーにスチールブルーの新作

「Pangaea Day Date」。PDD917G。自動巻き(SW220)。径40㎜。SSケース。カーフストラップ。44万7700円。

マイスタージンガーの人気モデル「Pangaea Day Date」に、新色となるサンバースト仕上げのスチールブルーダイアル&ゴールドアクセントのモデルが登場した。他にはない時計を作り続けるマイスタージンガーの魅力とは? まずはブランドについて解説していきたい。

ユニークな腕時計を作るブランドは数多く存在するが、創業から一貫して独自の「時刻表示スタイル」にこだわる個性派ブランドとして有名なのが、マイスタージンガーである。なぜなら、時計のダイアルにある針は「1本だけ」なのだから。

2001年、ドイツのミュンスターで誕生し、スイス製時計を展開しているマイスタージンガー。その代名詞となっているモデルが「シングルハンドウォッチ」だ。つまり1本の針で、時刻を表示する腕時計である。

1本の針はアワーハンドで、12時間でダイアルを1周する。先に断っておくが、この時計は「1分1秒」を競い合うせっかちな現代人に向けたものではない。1日24時間、美しい時間を大事にしている人こそ、この時計の真価が味わえる。

マイスタージンガーの哲学は「心に残る大切な時間」。シンプルな1本針には、そんな思いが込められているのだが、では実用性が全くないのかというと、そんなことはない。ダイアルには「01」から「12」までの数字がふられているが、その間のメモリは12等分されている。

つまり1つの目盛りが5分。上の写真なら10時5分を示しており、5分刻みで時刻を読み取ることができるのだ。思い当たる人がいるかもしれないが、時間に正確な人は大抵、集合時間の5分前には、もう来ている。慌ただしい日常の中でも、穏やかな時間を楽しみたい人には、この時計は完璧なパートナーとなるだろう。

実用性で言えば、他にもある。ここに紹介する「Pangaea Day Date」は、1本針に加えて、日付と曜日も表示する10年来のロングセラーモデル。大小2枚のリングが回転し、ブランドロゴの上にある三角マークが目印となり、日付と曜日を表示する。

圧巻なのは、深夜0時。ゴールドカラーの長い時針が12時(深夜0時)を指し示した瞬間、日付と曜日の回転ディスクも瞬時に回転し、1つのラインにピタッと揃って表示するのだ。この豪快な動きを1日1回見られることは、時計好きにはたまらない儀式となる。

また装着されるストラップは、オーク樹皮でなめされた高品質のカウハイドストラ ップ(手作業で染色)が採用されているという。針やインデックスはエレガントなゴールドカラーとし、直径40㎜、厚さ10.5㎜というクラシックなケースとの相性も抜群である。

問い合わせ/マイスタージンガー公式サイト

文・構成/市塚忠義