- 時計Begin TOP
- ニュース
- H.モーザーの「ストリームライナー」にチョコレートフュメのダイアル!
2025.10.28
H.モーザーの「ストリームライナー」にチョコレートフュメのダイアル!
F1ドライバー、ピエール・ガスリーとの“こだわりコラボレーション”

「H.モーザー×ピエール・ガスリー エディション」自動巻き。ケース径40㎜。ケース厚12.1㎜。12気圧防水。右(ストリームライナー・ピエール・ガスリー ゴールド エディション、リファレンス 6805-0411)/5Nレッドゴールドケース&ブレスレット。限定10本。予価2406万8000円。左(ストリームライナー・ピエール・ガスリー エディション、リファレンス 6805-0410)/5Nレッドゴールドケース。ラバーストラップ。限定100本。予価1521万3000円。
昨今、時計業界を盛り上げているのが、モータースポーツである。今年2025年のウォッチズ&ワンダーズ ジュネーブの会場では、F1マシンを展示するブランドも多く、コラボレーションした新作時計が数多く発表された。
時計とクルマの関係は、今になって始まったことではない。モータースポーツ黄金期の1950年代。これまで見たこともないようなスピードで駆け抜けるスポーツカーに世界中が熱狂した。スピード競争が激化すれば、必要になるのは、より正確な時間が測れる時計。
時計史に刻まれる傑作クロノグラフの多くが、この時代に誕生している理由だ。時計ブランドも有名なレース名をモデル名に冠した時計を発表し、時計業界とモータースポーツ業界との神話性をアピール。時計とクルマは、切っても切れない関係なのだ。

いっさいロゴの入らない美しいグラデーションのフュメダイアルが浸透し、希少性の高い個性派ブランドとして定着した、H.モーザー。シャフハウゼンに本社を構えるマニュファクチュールが選んだクルマ業界のパートナーが、F1ドライバーのピエール・ガスリーである。
ピエール・ガスリーは現在、BWTアルピーヌF1チームのレーシングドライバーとして活躍。そのBWTアルピーヌF1チームとH.モーザーとのコラボレーションによって誕生した2本セットのストリームライナー(ドライバーズエディションとメカニックエディション)は記憶に新しいだろう。
今回紹介する新作は、ドライバーとのコラボレーションで、よりパーソナルな限定モデル。ピエール・ガスリーが時計製作に全面協力し、彼の理想的な腕時計が完成した。モデル名はズバリ「ストリームライナー・トゥールビ ヨン ピエール・ガスリー」である。
「私はずっと、この機構(トゥールビヨン)に魅了されてきました。バレエのように優雅で、絶え間ないその動きは、人を惹きつけてやまない魅力があります。そしてその精度と卓越した技術性 は、F1 の世界とも通じるものがあるのです」と語るピエール・ガスリー(写真右)に対し、H.モーザーの CEOエドゥアルド・メイラン(写真左)は
「初めて会ったときから、ピエールは自分が求めるものについて極めて明確なビジョンを持っていました。私たちは、あらゆる可能性を探るため、そして彼の中から新たなアイデアを引き出すために、あえて様々な代替案をぶつけてみました。しかし彼はいつも、自身の直感に従い、この1本に戻りました。私たちが今回発表する、この彼の時計に」とコメントしている。

ちょっと意外だったのは、レーシングドライバーの彼が選んだのが、クロノグラフではなくトゥールビヨンであったこと。そしてスポーティでアクティブなカラーリングというよりは、どこかミステリアスでモダンなブラウンダイアルであったこと。

この時計の主役になっているのが、ダイアル6時位置に鎮座するミニッツ フライング トゥールビヨンだ。もちろんヒゲゼンマイは、同社のアイコンでもあるダブルヘアスプリング。系列会社プレシジョン・エンジニアリング社で設計・製造されたヒゲゼンマイの精度の高さは業界トップクラスである。
このトゥールビヨン搭載に加え、ピエール・ガスリーがこだわったのが、「チョコレート フュメ」と名付けられたダイアルカラー。その深みのある豊かなニュアンスは、レーシングドライバーである以前に、彼がフランス人であることのセンスが滲み出ている。

新たに発表されたコラボレーションウォッチには、2つのバリエーションがある。1つはダイアルと同色のラバーストラップが組み合わせた限定100本のモデル。もう一つは、ケース一体型の5Nレッドゴールド製ブレスレットが組み合わされた限定10本のモデル。
「10」という数字は、ピエール・ガスリーのラッキーナンバーであり、自身のレーシングナンバー。その密やかなシンボルとして、10時位置に赤いルビーをさりげなくセッティングしている。

現在、H.モーザーの「ストリームライナー」シリーズは非常に人気が高く、なかなか手に入らない状態が続いている。こちらの2本はさらにレアな限定モデルゆえ、世界各国で争奪戦が繰り広げられることは確実だろう。
問い合わせ/H.モーザー公式サイト
文/市塚忠義