2025.11.13

オーデマ ピゲの創業150周年を記念した「ハウス オブ ワンダーズ展」に行こう!

銀座・並木通りに新たなランドマークが誕生

「老舗」と名のつく時計メゾンの中でも、オーデマ ピゲが特に別格であると感じるのは、どこのグループに属することなく歴史を守り続け、そしてまた100年先のメゾンのあり方を真剣に模索していることだ。

時計職人がつなげてきたスイス時計産業も、巨大なグループ化が進めば当然、直近の利益最優先で時計作りをしなければならない。右肩上がりの「数字」だけに着目すれば、現場は次第に疲弊してしまう。スイス伝統の高品質な時計作りを続けていくことは、想像以上に難しいのだ。

オーデマ ピゲとう時計メゾンは、時計を「売る」だけではなく、スイス時計という「文化」を、幅広い世代に伝えようとしている。高級な時計を価格だけで語るのではなく、その真の価値を理解してもらわなければ、自分たちメゾンの未来もないと考えているからだ。

そうした時計作りへの真摯な熱意は、時計作り以外の場所で形になっている。2023年、東京の表参道にオープンした体験型施設「AP LAB Tokyo」では、ウォッチメイキングの奥深さを体験できるクイズ形式のプログラミングが用意され話題に。時計愛好家だけでなく、ビギナーも1から学べる内容になっている。

その第二弾というわけではないが、オーデマ ピゲの文化を学べる新たなランドマークが、東京・銀座に完成。11月10日から一般公開となった「ハウス オブ ワンダーズ展」は、オーデマ ピゲの創業150周を記念した、期間限定の展示スペースである。

表参道の「AP LAB Tokyo」同様、見どころは同ブランドの伝統と革新を体感できる“没入型”であること。メゾン最初期の時計工房のデザインを取り入れた会場は、テーマ別の2フロアで構成されている。1階の大きな象徴的な扉を開くと、メゾン150年の歴史の旅が始まる。

「時のギャラリー」では、家族経営にこだわってきたオーデマ ピゲの大切にする家族をテーマに、写真やアーカイブ資料のレプリカ等を展示。さらに奥に進むと、天井に巨大なムーブメントが! この「機械のひみつ」部屋では、中央に設けられた円形カウンターがゲストを迎え、そこには機械式時計の極小パーツなどが丁寧に展示されている。

ムーブメントはどのような工程を経て完成するのか、一連の製作工程を展示。機械式ムーブメントの仕組みや、メゾンが誇る手作業によるケース等の装飾方法を技術スタッフが、直接ゲストに解説してくれる。

2階に上がると、ジュネーブのVR制作会社、ドリームスケープ社とのコレボレーションによるVR体験が楽しめる「アイデアの旅」のゾーンに。 最先端のフルトラッキング技術を活用してゲストを“ワンダー(驚き)”の世界へと導く。

常時約 50 本の時計を展示する「デザインの金庫室」では、実際の時計を通じてオーデマ ピゲの技術の高さを間近で感じることができる。普段はなかなか見ることはできない貴重なアーカイブピース15点を含むラインナップは、圧巻。コアな時計ファンから初級者まで楽しめる空間になっている。

オーデマ ピゲのオーナーはもちろん、時計に興味のあるひとには、なかなかエキサイティングな内容になっている。カップル、そして家族で訪れても、きっと良い思い出になるだろう。期間限定と言っても、来年2026年の4月30日まで開催しているので、下記のサイトから予約して参加してみて欲しい。

オーデマ ピゲ 150 周年記念

ハウス オブ ワンダーズ展

開催期間:2025 年 11 月 10 日(月)~ 2026 年 4 月 30 日(木)

時間:11:30~19:30 (最終入場 18:30)

住所:東京都中央区銀座 6-7-12

※入場無料(予約優先)

お問い合わせ:特別展事務局 03-6830-0025

*予告なく開館時間・休館日が変更になる場合があります。

予約方法:オーデマ ピゲウェブサイト内予約ページより

https://aplb.ch/ginza-house-of-wonders-public

 

文/市塚忠義