- 時計Begin TOP
- ニュース
- 新しく生まれ変わり、そして原点に帰った古豪ブランパンのレディバード
2026.09.17
新しく生まれ変わり、そして原点に帰った古豪ブランパンのレディバード
世界最小の初代手巻きモデルを、自動巻きでオマージュ

「ブランパン Lady B」。自動巻き。SSケース。レザーストラップ。158万4000円。
創業1735年。現存する世界最古の時計メゾン「ブランパン」は「機械式」しか作らないことでも有名。エネルギー源が電池のクオーツ時計ではなく、ゼンマイで半永久的に動く機械式時計にこだわる老舗中の老舗だ。
フィフティ ファゾムスやヴィルレなどのコレクションが有名だが、絶対に忘れてはいけない傑作が、もうひとつある。それがレディス時計の「レディバード」だ。レディバードとは「てんとう虫」のこと。この名前の由来を知るには初代レディバードまで遡る必要がある。

1956年、ブランパンは世界最小のムーブメントを搭載したレディス時計を発表。「てんとう虫」は、そのあまりの小ささを象徴するネーミングであった。初代レディバードの開発に大きく貢献したのが、当時スイス時計業界初の女性社長となったベティ・フィスター。
彼女は16歳でブランパンに入社すると、ブランパン家7代目フレデリック=エミール・ブランパンの右腕として活躍し、ついには社長に任命される。これからは女性が活躍する時代を確信していたフィスターは、レディスコレクションを強化。そして誕生させたのが「レディバード」だった。

当時、小さな時計を作れることは、高い時計技術の証。本物の技術志向をレディス時計に早くも取り入れ、社会で活躍する女性を支援したのだ。「レディバード」は、時代に合わせて程よい大きさに進化したが、この度発表された最新モデルは、初代を思わせるようなフォルムを纏っている。

「ブランパン Lady B」。18KRGケース。レザーストラップ。各242万円。
それが写真の最新作「ブランパン Lady B」である。「レディバード」コレクションの70周年を祝うこの時計は、見るからに小さい。ケースの直径は、わずか19㎜である。しかしこの時計の美しさは、正面からみただけでは分からない。

ケースを横から覗き込むと、思いもよらないフォルムが目に飛び込んでくる。この極小の丸形ケースは、球体形になっているのだ。ケース径19㎜に対し、ケース厚は13.2㎜。コロコロとした姿は、まるで磨き上げられた宝石のようだ。

1956年の初代レディーバードに搭載された、当時世界最小のキャリバーR55(直径11.85㎜)に対し、今回搭載されたムーブメントは自動巻き。ブランパンが1995年から製造し続けている傑作キャリバー615を搭載している。

キャリバー615の直径は15.7㎜、厚さ3.9㎜。こんなに小さな時計でありながら、回転ローターで巻き上げているというのが驚きである。手巻きモデルはリューズを巻くときに爪を痛めてしまうこともあるから、レディスウォッチの機械式は、自動巻きである方が実用的だ。

「ブランパン Lady B」のケースフォルムを際立たせているもう一つの要素が、この時計にラグが存在しないこと。二重巻きのストラップは、ケースの下を直接貫通する構造になっており、それによって丸みを遮るものがなく、カーブの美しさを強調しているのだ。

ちなみに新作の「ブランパン Lady B」のBには、3つの意味が込められている。ベティ・フィスターのB。バブルフォルムのB。そしてビジュー(宝石)のB。3つのBが運命的な出会いを果たしたことで、この奇跡的タイムピースが完成したのである。
「ブランパン Lady B」の美しさを実際に見てみたいという人は、2026年10月17日(土)から10月25日(日)まで期間限定の展示イベントが行われているので、下記の詳細を確認してほしい。
The Blancpain Ladybird Legacy(ザ ブランパン レディバード レガシー)
会場場所:StandBy 〒150-0001 東京都渋谷区神宮前5丁目11−1
一般公開日程 10月17日(土)から10月25日(日)
通常営業時間11:00〜19:00 (*18:30 最終受付終了)
問い合わせ/ブランパン公式サイト
文/市塚忠義