2018.05.03

【タグ・ホイヤーの工房へ行ってきた #2】トゥールビヨン部屋 ただいまフル稼働中

驚異的プライスで世界中からオーダー殺到!

2016年、タグ・ホイヤーはトゥールビヨンに価格破壊をもたらした。
その製作は複雑機構にふさわしい、8名の精鋭による完全手作業だった。

手作業による組み立ても1人週25個の量産を実現

タグ・ホイヤーが増強した3つの製造部門の最後を飾るのは、トゥールビヨン製作を専門で行う「オートオルロジュリーワークショップ」だ。ここで作業に従事するのは、8名の精鋭。最新の自動化マシンはここにはなく、すべてが手作業で行われている。それでもなお、1人当たり週に25個ものトゥールビヨン・ムーブメントを組み立てられるのは、各パーツが高精度加工され手直しを不要とし、かつ組み立てやすさを考慮した構造になっているから。例えばチタンとカーボンとを組み合わせたキャリッジは、多くの部分がユニット化されている。またテンプもフリースプラングとすることで、緩急針の取り付けを不要とするといった具合に。さらに治具も技術者が作業しやすいよう、巧みに設計されている。こうした地道な積み重ねが、量産性とコストパフォーマンスを実現するのだ。

組み立てやすい設計、作業しやすい専用治具
トゥールビヨンの組み立てに用いる治具は、スプリング式。確実な固定と取り外しのしやすさとが両立する。ダイヤル側のブリッジを不要とするフライング式で、フリースプラングのテンプには歩度調整用の錘が見える。

ユニット化されたキャリッジ
トゥールビヨンのキャリッジは、パーツ製造を担うジュヴネの工場でユニット化され、ワークショップでの組み立て作業を軽減する。

注油を含め1人が1個を責任担当
トゥールビヨンを搭載するCal.ホイヤー02Tの組み立ては、全工程を1人の技術者が行う。注油も手作業だが、適量が出るマシンを採用。

クラシックな工房に精鋭が集う
前出のT2ワークショップと比べると、オートオルロジュリーワークショップはクラシックな雰囲気。伝統の手仕事が継承されるにふさわしい。

[時計Begin 2018 SPRINGの記事を再構成]
写真/岸田克法 文/髙木教雄 構成/市塚忠義

トゥールビヨンの価格破壊をした話題作
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02T トゥールビヨン
Cal.ホイヤー02Tを搭載したファーストモデル。6時位置に置くトゥールビヨンのキャリッジはチタンとカーボンとで軽量に仕立て、駆動効率に優れる。自動巻き。径45㎜。SSケース。アリゲーター+ラバーストラップ。181万円。

軽量な先進素材をケースにミックス!
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02T トゥールビヨン カーボン&チタニウム
ベゼルとラグは、軽くて硬いカーボン窓リックスコンポジット製。裏蓋はチタン製とし、超軽量な外装にトゥールビヨンを収めた。直営・ギャラリー限定モデル。自動巻き。径45㎜。チタンケース。ラバーストラップ。192万円。

<b>トゥールビヨンの価格破壊をした話題作</b><br> タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02T トゥールビヨン<br>Cal.ホイヤー02Tを搭載したファーストモデル。6時位置に置くトゥールビヨンのキャリッジはチタンとカーボンとで軽量に仕立て、駆動効率に優れる。自動巻き。径45㎜。SSケース。アリゲーター+ラバーストラップ。181万円。
<b>軽量な先進素材をケースにミックス!</b><br>タグ・ホイヤー カレラ キャリバー ホイヤー02T トゥールビヨン カーボン&チタニウム<br>ベゼルとラグは、軽くて硬いカーボン窓リックスコンポジット製。裏蓋はチタン製とし、超軽量な外装にトゥールビヨンを収めた。直営・ギャラリー限定モデル。自動巻き。径45㎜。チタンケース。ラバーストラップ。192万円。