2018.05.05

【タグ・ホイヤーの工房へ行ってきた #3】新キャリバーの充実ぶりは 厳しいテストがあってこそ

容赦なく落とす、ひねる、水に入れる!

タグ・ホイヤーの高品質を保証するのが、拷問のような厳しいテスト。
プロトタイプを徹底的にいじめ抜き、合格したモデルのみが量産される。

時計を徹底的に傷めつける11項目の厳格な検査を敢行

 他のブランドと比べ、タグ・ホイヤーの新作のリリース数は圧倒的に多い。それらがいずれも高品質を保持しているのは、プロトタイプの段階で徹底的にテストを課しているからだ。11項目に及ぶテストは、いずれも過酷。壊れることを想定し、テスト用には20~30個ものプロトタイプが用意されるという。例えば新型のムーブメントは、樹脂製のボックス内に固定し、1mほどの高さから自然落下させ耐久性を検証する。タグ・ホイヤーが得意とするクロノグラフモデルのプッシュボタンは、5000回もの操作テストを敢行。ほかにも摂氏40度、湿度90%の密閉環境に14日間置く温度耐性テスト、ストラップの牽引耐性検査にブレスレットの振動耐性検査などをクリアし、初めて製品化が許される。プロトタイプの段階での厳格なテストが、新作時計に安心を届けるのである。

ムーブメントをフリーホイール!
ムーブメントの耐衝撃検査。樹脂製のボックス内に固定されたムーブメントは逃げ場がなく、衝撃を全体で受け止める。ブレーキなど一切ないフリーホイールで金属製の座面に叩きつけても作動するかが、検証される。

高速振動でブレスを検査
ブレスレットをゆるく広げた状態で吊り下げ、上下に振動させてその強度をテスト。15~20㎏の負荷を1分ずつ5000回加える。

ストラップの引っ張り強度検査
ストラップは振動ではなく、引っ張りテストを行う。ただ真っすぐに引っ張るだけでなく、左右にひねる動きも加えるかなり過酷なテストだ。

防水検査は全製品に敢行
防水検査は、実際に水中に入れ加圧して行われる。プロトタイプの段階だけでなく、製品化されケーシングを終えた全品をテストする。

[時計Begin 2018 SPRINGの記事を再構成]
写真/岸田克法 文/髙木教雄 構成/市塚忠義

クラシックな趣を添える植字のアラビック
タグ・ホイヤー カレラ キャリバー16 クロノグラフ デイデイト
カレラらしいスポーティなデザインはそのままに、ゴールドの植字インデックスと針とでクラシックな印象を高めた。デイデイト装備で、ビジネスユースに最適。自動巻き。径43㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。52万円。

ブルーが一層映えるセラミック製ベゼル
アクアレーサー キャリバー5 セラミック
逆回転防止ベゼルにブルーセラミックを採用している。硬質な素材をファセットカットし、豊かな造形美を与え、高い質感と耐傷性を兼ね備えるダイバーズに仕立て上げた。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレスレット。28万円。

<b>クラシックな趣を添える植字のアラビック</b> <br>タグ・ホイヤー カレラ キャリバー16 クロノグラフ デイデイト<br>カレラらしいスポーティなデザインはそのままに、ゴールドの植字インデックスと針とでクラシックな印象を高めた。デイデイト装備で、ビジネスユースに最適。自動巻き。径43㎜。SSケース。アリゲーターストラップ。52万円。
<b>ブルーが一層映えるセラミック製ベゼル</b><br>アクアレーサー キャリバー5 セラミック<br>逆回転防止ベゼルにブルーセラミックを採用している。硬質な素材をファセットカットし、豊かな造形美を与え、高い質感と耐傷性を兼ね備えるダイバーズに仕立て上げた。自動巻き。径43㎜。SSケース&ブレスレット。28万円。