2018.05.12

カルティエ新サントスと丸型ミステリーの攻防【博士と助手の新作時計 2018 ガチンコ対決!】

1904年誕生の「サントス」が、フルコレクションとして蘇った。
新たな表現にチャレンジした得意のミステリアス機構も要注目だ。

博士「透明ディスクに浮かぶ太陽と月」

ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス デイ&ナイト
透明ディスクに描いた時針代わりの太陽は、午後6時に隠れ、左から月が表れる仕掛け。ミステリアス機構に時刻と昼夜表示とを融合した。下側にレトログラード分針を置く。手巻き。径40㎜。18KPGケース。アリゲーターストラップ。予価680万円。今春発売予定。

透明ディスクを24時間で1周させる駆動輪列が巧みに隠されている。仕掛けを見せないのが、ミステリアス機構伝統のDNA。

助手「元祖腕時計を現代的に一新」

サントス ドゥ カルティエ
ビス留めベゼルを上下に伸ばし、ストラップと巧みに調和させた。MMサイズはデイトを外し、機構もオリジナルに近づけた。自動巻き。ケース41.9×35.1㎜。SS+18KYGケース。カーフストラップ(SS+18KYGブレスレット付属)。予価98万円。4月発売予定。

「クイックスイッチ」システム(写真左)に加え、ブレスレットの「スマートリンク」システム(写真右)も画期的。

意匠と機構で継承するカルティエのDNA

助手 一番の話題は、何といっても「サントス ドゥ カルティエ」です。本格的な腕時計時代を拓いた時計史にも残るメゾンのアイコンが、久しぶりにフルラインナップで復帰を果たしたんですから。

博士  確かに出来はよかった。LMとMMの2サイズ展開で、それぞれにSSやコンビ、フルゴールドがあり、選択肢が多いのもいい。

助手 ですよねぇ。中でも私のお気に入りは、MMのSS+YG。オリジナルの「サントス ウォッチ」と同じ素材の組み合わせで、サイズも近いです。茶色のカーフストラップもオリジナルと同じ。

博士 まさにメゾンのDNAを継承したモデルだね。その点で言えば「ロトンド ドゥ カルティエ ミステリアス デイ&ナイト」も、カルティエが大切にしてきたミステリアス機構の新たな表現として興味深い。ミステリアス機構は時針として用い、それが昼夜表示を兼ねるというアイデアは素晴らしい。しかも分針はレトログラード。時刻表示の表現が実にユニークだ。

助手 でも実用的なのは、サントス。ブレスも付属(モデルによる)し、工具なしで交換できます!

商品の問い合わせ/カルティエ カスタマー サービスセンター Tel.0120-301-757

[時計Begin 2018 SPRINGの記事を再構成]
写真/岸田克法 文/髙木教雄 構成/市塚忠義