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2018.08.17
編集部員の「欲しい!」時計インプレッション(グランドセイコー SBGJ203)第4回「使い勝手」の巻
リポーター : 『時計Begin』編集長・中里 靖
第4回「使い勝手」の巻
グランドセイコー「SBGJ203」のインプレッション、第4回目。だい~ぶ間が空いてしまって申し訳ありません。今回は前々回、その見やすさに「いざ着けて数日を過ごした感想を気が赴くままに書こうと思っていたんですが、数日どころか数分でいきなり感嘆しちゃった」もんですから結局書けなかった、日常使いで気付いた点やGMT時計としての操作性を含む「使い勝手」について書こうと思います。かなり広義なので私のアタマの中のようにとっ散らかった話の展開になる予感がしますが、それはそれであれとして、どうぞご一読ください。
実はバーゼルワールド取材を終えて帰国してから、しばらくの間「SBGJ203」をほぼ毎日着けていました。この連載記事を書くためでもありますが、軽いしブレスレットがしなやかなので、非常に着け心地がいいんですよね。しかも前回書いたように、ファッション的な守備範囲も広い。だから毎朝、その日の時計を選ぶ際に思わず手にしてしまうのです。
で、夏の始まり頃ですかね、炎天下で、子どもと一緒に半裸で公園遊びをしている際にふと思ったんですが、ズバリこの時計、キズが目立ちにくい気がします。
その前提として、セイコーさんからこの時計をお借りするとき「雑な性分なんですけどキズとか付いちゃっても大丈夫っすか?」と申し出たら、先方ご担当者が柔和な笑顔とともに「大丈夫っす」と仰ってくださったので、それを真に受けて日々ジャンジャンバリバリ酷使していたという背景があります。
ケースもブレスレットもステンレスですから、ゴールド類と違ってそもそもある程度キズに強いのだとは思います。が、あっちこっちに手をぶつける私のカマイタチみたいな手首に在っても、パッと見はほとんどキズが見えません。さすがにルーペで拡大して見ると細かなキズは多少生じています(借りモノなのに)。でも、肉眼で見る限りは目立たないのです。
丁寧な冷間鍛造の賜物、もしくは超鏡面仕上げを施した面はツルッツルのため摩擦係数がすこぶる低く何もかも引っかかりにくいため結果としてキズに強い、のかと思っていましたが、ケースやブレスレットでポイント使いしているサテン仕上げの部分をぶつけやすい=キズを付けやすい箇所と何気にリンクさせて目立たないようにしているのかな?とも思いました。つまり、キズが付くことを前提に「なるべく付きにくく、付いても目立たない仕上げにしてある」ということです。
以上は勝手な推測で、正直、本当のところはよく判りません。メディアの人間としてあるまじきスタンスですが、ウラも取ってません。もちろん日々の活動量や使用環境にも因るのでしょうが、私が着けているこの数ヵ月の途中感想としてキズが目立たないと感じた次第です。
以上の点から、高級機の部類に入るこの「SBGJ203」は、その着用時に於いてさほど神経質になる必要がないように思いました。
続いて操作性についてですが、これはもうオーソドックスにして単純明快。GMT針が加わっていることで「多少は面倒?」とお思いの人もいらっしゃるかもしれませんが、超簡単です。
ねじ込み式のリューズを手前に回してロックを外し、そのまま奥に回すとゼンマイが巻けます(基本は自動巻き)。で、そこからリューズを1段引っ張ると時針およびそれにリンクしたデイト表示が調整可能に。「時針は前にも後にも動かしてOKよ」的なことが取説にも記載されているので、面倒臭がりな私ですら安心&簡単に時刻合わせができます。
この段階でちょっと感動したのが、その操作感。リューズを回したときに絶妙な重さというか抵抗というか、ヌルッとした感触があり、それと共に時針が動きます。これ、ニュアンスを共有できる人もいらっしゃると思いますが、でもっていきなりクルマでのたとえになりますが、W124までのメルセデス、そのウィンカーレバーの操作感になんか似ています。「ヌルッ」として「カチッ」と決まるのです。
顔は端整で動きはセクシー。
まるでリッキー・マーティンです。
そしてもう1段引っ張ると、今度は分針およびそれにリンクしたGMT針が調整できます。分針が1周するとGMT針が1時間進む仕組みです。ダイヤル外周には24時間計が記載されていて、GMT針はそれとリンクしています。なので、基本的に普段=国内ではGMT針を24時間表示針として活用し、海外に行ったらGMT針はそのままでリューズを1段引っ張り、時針&デイト表示を現地時間に合わせれば「GMT針=日本時間/時針=現地時間」となり、雑な私ですら超簡単に2ヵ国の時間を表示させられます。
こう書くと何やら小難しそうですが、左脳がほぼ機能していない私でもすこぶる簡単にマスターできたので、一般の皆さんはまったく問題なく簡単に操作できると思います。
あとこれは細部ですが、ワンプッシュ三つ折れ方式のバックルも地味にいいです。
手首が細い私は、クラスプ部分が大きい二重ロック方式のバックルだと相性的に持て余してしまってデスクワークの際などにガンガンぶつけてしまったり、そもそも中折れ部分が手首のアールに沿わず、浮いてしまって不快だったりします。しかしながら、このバックルはそれらの微細なストレスが皆無。2cm弱四方の小じんまりとしたバックルですが、ロックは強固ですし、軽いワンプッシュで即外れますし、クラスプは薄く小さく出っ張りが少ないのでガンガンぶつけることもほぼないですし、中折れ部分のアールも手首に沿います。但し、これらはあくまで私の手首との相性なので、一概には言えないことはご承知ください。でも実際、私はすこぶる快適です。
とまぁ案の定、とっ散らかった話になってしまいましたが、上記はすべて実際に着けて使ってみないと判らないコトだと思いますので、ご参考にしていただければ幸いです。
「欲しい!」時計 : GRAND SEIKO(グランドセイコー)「SBGJ203」
バックナンバー:
→ 第1回「選定理由」の巻はこちら
→ 第2回「見やすさ」の巻はこちら
→ 第3回「ファッション性」の巻はこちら