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2019.03.18
編集部員の「欲しい!」時計インプレッション(セイコー プロスペックス SBDX023)第1回「まずはカチカチ」の巻
「欲しい!」時計 :SEIKO PROSPEX(セイコー プロスペックス)「SBDX023」
リポーター : 『時計Begin』編集スタッフ・市塚忠義
第1回「まずはカチカチ」の巻
新作発表会などで時計の新作に触れる機会があったとき、その時計に回転ベゼルがついていれば、とりあえず回してみる。ダイバーズであれば回転ベゼルはマスト機能だから、必ず「回す」ことができる。なぜ、回すかって? クロノグラフが目の前にあったら、まずはプッシュボタンを押して、その押し心地を確かめる……、それと一緒。僕の場合は、この「カチカチ」と回す方が、ダンゼン楽しい。逆回転防止機能を確かめる目的もあるけど、この「カチカチ」の感触で、ある程度クオリティが分かるからだ。
ここ最近、セイコーから本気モードのダイバーズが続々と登場している。お値段もソコソコ本格的。いったいどのへんが「本気」なのか、どうしても気になる~、というワケで、いざインプレッションです! 最新作「SBDX023」のリポートは、冒頭にあるように、やっぱり「カチカチ」のリポートから始めたいと思う。
「SBDX023」の回転ベゼルを1周させると、120回カチカチと音が鳴る。秒インデックスのバー目盛りは「60」あるから、「1」目盛り進む間に、2回カチカチと音が鳴る。これはベゼルの内側にある歯(クリックバネの溝)の数は60だが、そこに板バネを半溝ズラしてセットすることで「120クリック」を実現しているのだそうだ。
この120という数値自体は、一般的かもしれない。でも「SBDX023」は、このカチカチの感触が抜群にいい。もし、回転ベゼル搭載の腕時計をお持ちなら、ぜひこの感触を確かめていただきたい。
「ガリガリガリ」「スルスルスル」っといった音で回る場合、ちょっと残念なベゼルと言える。「ガーガガッガッ」と、規則的に音が鳴らない場合は、なにか不具合があるのだろう。感触を言葉で伝えるのはとても難しいけれど、「SBDX023」の場合、「カチカチ」というよりは、もう少し高音で「ミリミリ」といった音に聞こえる。まるで超高精度なダイヤル式の金庫のようだ。
そしてインデックス目盛りのど真ん中で、ピタっと止まる。これがメチャクチャ気持ちいい。回転ベゼルは計測のためのものだから、これはとても重要なこと。さらに回転ベゼルの表示板はセラミック製だという。どおりでキズがつかないワケだ。
いまどき、ダイバーズは高防水なタイプでもアンダー10万円で見つかる。セイコー・ダイバーズのなかでも、プロスペックス「SBDX023」の32万円という価格は、高い部類に入るかもしれない。しかしそこには、プロスペックスの「プロフェッショナル」としてのプライドが、ベゼル1つをとってみても、クオリティに表れていると分かった。
(つづく)
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