同ブランドでどちらか選べるなら心臓部は？ 自社製ムーブメントVS汎用ムーブメント

各社がオリジナルで開発・製造した自社製ムーブと、専門メーカーの既成品を活用した汎用ムーブ。最近よく＂自社製＂を誇る謳い文句を目にするけど、それってホントにいいの!?

定評ある汎用ムーブをより高性能にした自社製品

最近、雑誌でよく見かける「自社製ムーブ」。ムーブ専門会社による製品と何が違うか？　ブライトリング技術部門の林さんに訊いてみた。

「例えばキャリバー01は、わが社が長年培った技術を活かし開発されているため、性能、使いやすさ、メンテナンス性など、あらゆる面で優れています。また個性があり、作動時間が長いのも特徴です」

一方で汎用ムーブについては、「性能の高さゆえ長年多くのブランドに採用されています。オーソドックスで使いやすく、価格も比較的抑えられます」と、それが格段に見劣りするわけではないと語る。

ベーシックな性能ならむしろ汎用品を、多少高くてもプラスαを求めるなら自社製ムーブを選ぶべし。

結論！より高性能な自社製、買いやすいのは汎用品

悩ましい自社製＆汎用ムーブ

IWCの場合

タグ・ホイヤーの場合

時計好きだからこそ選ぶなら？

自社製ムーブ
開発力あるブランドしか作れない独自機構

コラムホイール、垂直クラッチなどを採用した上級機が多く、各社が独自開発したワンランク上の機能性を搭載。自社によるメンテナンス性にも優れる一方、第三者の修理が難しいことも。完成品の価格は多少高め。

キャリバー 01
2009年、5年の歳月をかけて自社開発されたキャリバー 01。コラムホイール式、垂直クラッチ採用の高級仕様であり、自動位置決めリセットハンマー、24時間変更可能な日付表示など多彩な個性を持つ。パワーリザーブも70時間以上に向上。

BREITLING（ブライトリング）
ナビタイマー B01 クロノグラフ 43
横並び3 つ目の完全自社製
自社製キャリバー 01搭載モデル。こちらは直径43㎜の堂々としたスタイルで、インダイヤルに反転色を採用した横並びの3カウンター。またロゴは12時位置、日付表示は4-5時位置 に装備。自動巻き。SSケース＆ブレス。3気圧防水。97万円。

汎用ムーブ
長年の実績で培った信頼性に自信

ムーブメント専門メーカーによる製品なので基本性能は確か。また、長年、さまざまな改良が加えられることにより信頼性を高めてきた。パーツ供給も豊富で、技術者にも優しい。自社製に比べ価格は抑えめに。

ブライトリング キャリバー 13
信頼性の高い汎用ムーブ「バルジュー7750」を、ブライトリングが自社でチューンナップしたキャリバー 13。スイスCOSC公認のクロノメーターであり、長きにわたってナビタイマーシリーズに採用されてきた。約48時間パワーリザーブを確保。

BREITLING（ブライトリング）
ナビタイマー クロノグラフ 41
小ぶりの伝統ムーブ搭載機
キャリバー 13搭載で人気の高いナビタイマー。文字盤の配列が縦並び3カウンターで、統一感ある黒のインダイヤルを採用。自動巻き。径41㎜。SS×18KRGケース。カーフストラップ。3気圧防水。84万円。問い合わせ：ブライトリング・ジャパン

[時計Begin 2020 SPRINGの記事を再構成]