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2020.05.20
スイス時計ブランドのグループ別相関図
意外な「お取引先」までよく判る
スイス時計ブランドのグループ別相関図
現在の時計業界は、いくつかのグループと独立系ブランドとで構成されている。
そして各グループはサプライヤーも抱え、一部の独立系もサプライヤーを持つ。
ライバルであると同時に取引先だったり、時計界の相関図はかくも複雑だ。
有力サプライヤーが時計業界への影響力を増す
時計業界は1990年代以降、再編を繰り返し、現在の形に落ち着いた。最大勢力はスウォッチ・グループ。13ブランドを擁するだけでなく、傘下に置くエタ社とニヴァロックス社は、グループ外の多くのブランドにとってなくてはならない存在。また旧フレデリック・ピゲ社はブランパンに完全吸収された現在も、グループ内のジャケ・ドローとハリー・ウィンストンに加え、グループ外の時計ブランドのためにムーブメントを製作。つまりサプライヤーとしても、機能しているのだ。
対してリシュモン・グループは、傘下にムーブメント会社ヴァル・フルリエ社を置くが、外販はしていない。モンブランが傘下に置くミネルバ社も、同様。LVMH・グループもいくつかのサプライヤーを抱えるが、やはりグループ内のためだけに技術が使われている。
これら3大グループに次ぐのは、ケリング・グループ。傘下のユリス・ナルダンはダイヤルとハイテク技術のサプライヤーを有し、外販にも対応する。
また一大勢力となったシチズン・グループも、ムーブメントを各社に提供。パテック フィリップやオーデマ ピゲ、シャネルといった独立ブランドもサプライヤーを子会社化しているが、いずれも他社の仕事も請け負っている。
さらに近年は、エタ社の代替機を製造する独立系のムーブメント会社が台頭。中でもセリタ社は、エタ社に肉薄するシェアを誇る。また高級機に特化するムーブ製造各社は、独自の機構やオリジナルキャリバーの開発で、時計界で確固たる地位を築いている。
再編が進もうとも、時計におけるサプライヤーの影響力は、依然強い。
[時計Begin 2020 SPRINGの記事を再構成]